10月号
神戸 MUSIC LIVE
Musician’s Profile
柴田 奈穂
古典的なタンゴの、その先を見たい。ジャンルを超える〝タンゴ界の異端児〟
ピアソラに出会って方向転換。タンゴにどっぷりハマりました
柴田 OL時代に平行してバイオリンの演奏活動をしていた頃に、アストル・ピアソラのCDを聴いたんです。そこから、変わりました。初めて聞いたとき「なんだこりゃ!」って思って(笑)。
それまでずっとクラシックをやっていたので、ピアソラとの出会いは衝撃的で。それからどんどんハマってしまって、聴きまくって、コピーして…。運よくタンゴのバンドに誘われて参加したのをきっかけに会社を辞めて、音楽一本に絞ったのが11年前です。その2年後にタンゴを学ぶためにアルゼンチンに留学しました。 タンゴとクラシックは、ビブラートのかけ方も全然違うし、独特の技法があるんです。「どうやってこの音を出してるんやろ」って、どうしても知りたくなって、アルゼンチンに留学しました。タンゴに出会って2年後の事です。
行動派でオリジナリティ溢れるタンゴバイオリニストを目指す
柴田 6年前に一人でアルゼンチンに渡って、世界的に有名なバンドネオンのワルテル・リオスさんに入って頂いてファーストアルバムをレコーディングしました。そのアルバム『ブエノスアイレスの冬』もそうなんですけど、わたしはタンゴを自分なりの音づくりで表現していきたいと思っているんです。本来タンゴは古典的な型があるんですけど、わたしはその先に何かがあると思いたいし、知りたい。
タンゴのバイオリンって弾き方というか音が色っぽいんですよ。そんな情熱的な音色も含めて、色々な音楽にタンゴのテイストを生かして、チャレンジしたいですね。だから、ジャンルを問わず、タンゴ以外の世界で活躍しているミュージシャンの方々とご一緒する機会が多いんだと思います。タンゴ界の異端児なんです…わたし(笑)
柴田 奈穂
6歳でバイオリンを手にし、やがてピアソラの音楽を聴き衝撃を受けタンゴに出会う。2002年ミゲル・アンヘル・バルコス氏らの来日ツアー公演に参加。2003年アルゼンチンに短期留学し、フェルナンド・スアレス・パス氏に師事。2006年ブエノスアイレストップミュージシャンたちとファーストアルバムをレコーディング。現在、東京と関西を中心に、さまざまなライブ、レコーディングなどで活躍。