6月号
「使い勝手の良さ」が人気のターミナル
1920年、阪神急行電鉄神戸線の開業とともに開設された阪急電鉄「西宮北口」駅。
現在では1日約10万人が利用する、西宮市の玄関口となるターミナルになっている。
1日約千本の電車が発着する阪急神戸線屈指のターミナル、西宮北口駅。阪急西宮ガーデンズなど周辺の再開発とともに乗降客数が急上昇、現在毎日約10万人が利用している。阪急全線で梅田、神戸三宮に次ぐ堂々の3位。京都の中心、烏丸や河原町よりも利用客数が多いのだ。しかも乗り換え客はこの数字に含まれないから、駅構内を行き来する人数はこれ以上になる。ちなみに阪急西宮ガーデンズのオープン当時は三宮も抜いて2位にランクインしていた。
西宮北口駅のオープンは大正モダニズム華やかなりし頃の1920年。阪神急行電鉄神戸線の開業とともに開設された。当時、このあたりは瓦木村で、ここから西宮の中心への路線開通が見込まれていたために「北口」となったといわれている。開業の翌年には宝塚への西宝線が開業、さらに1926年にそれが阪神との接続駅、今津まで延伸し今津線となったが、この際に神戸線と直角に平面交差するダイヤモンドクロスが登場した。高速走行の鉄道路線が直角に平面交差するのは日本唯一で、長らく鉄道ファンたちに愛されてきたが、ダイヤ上のネックになっていたため1984年に廃止、今津線は直通をやめて南北に分断され、駅舎は現在の橋上駅舎になった。さらに2010年には今津方面行きホームが高架化され駅もリニューアル、東改札口と南東改札口ができ改札口が増え、阪急西宮ガーデンズからつづく、閑静な住宅エリアへとつながる。改札口が4つある駅は阪急でも珍しい。
駅構内のお店も充実。駅そばやコンビニ、カフェのみならず、お菓子の街らしく和菓子、洋菓子のお店、雑貨屋さんや書店などのほか、西宮の魅力をアピールすべく観光案内所「2438DRAWERS」や日本盛の直売所などもオープンしている。
2つの時計台も有名だ。コンコース中央の時計台は待ち合わせの名所として親しまれている。駅の北東、南西、南東の3方向にはペデストリアンデッキが整備され、それぞれACTA、兵庫県立芸術文化センター、阪急西宮ガーデンズや閑静な住宅地エリアへつながっている。「使い勝手の良さ」が、西宮北口駅の魅力でも人気の秘訣でもある。
「阪急電車 片道15分の奇跡」BD特別版
2011年、阪急沿線を舞台にした映画が上映された。宝塚~西宮北口間、片道わずか15分の阪急今津線で起こる、奇跡の物語。
【出演】中谷美紀 戸田恵梨香 南 果歩 谷村美月 有村架純 芦田愛菜 小柳 友/勝地 涼/玉山鉄二・宮本信子
【原作】有川 浩「阪急電車」(幻冬舎文庫)
【価格】6,600円+税【発売元】関西テレビ放送
【販売元】ポニーキャニオン
DVD特別版、通常版も発売中!!