2月号
子育てと仕事を自分らしく両立させる じまんのママ1万人育成を目指す
株式会社ママクリエイターラボ
代表取締役 榊原 杏奈さん
産休・育休後の仕事復帰に悩みを抱えるママたちを応援するママクリエイターラボ。
自身もその一人だったという榊原杏奈さんが起業し、子育てと仕事を自分らしい方法で両立させる〝じまんのママ〟を育成している。経験から編み出した両立の方法や具体的な事業内容、目指すところなど、お話を伺った。
―ご自身も仕事復帰に悩みを抱えるママだったそうですね。
私は大学卒業後、百貨店で10年間、やりがいを感じながらマネジメントの仕事をしていました。出産・育児を挟んで復帰後は子育てをしながらマネジメント職に就くのは難しく、慣れない販売の仕事で職場に戻ることになりました。「積み重ねてきたキャリアは何だったんだろう?」と虚しい気持ちになっていたとき、同じような思いをSNSで発信をしている女性がたくさんいることを知りました。そんな女性たちが自立できる就労支援をしたいと考えるようになり、仕事を続けながら勉強をしてファッションに関するオンラインスクールを2017年に立ち上げました。
―そこから女性の就労支援スクールにつながったのですね。
当時のアメーバブログとフェイスブックで受講生募集をしたところ全国から多数応募がありました。次第に「SNSで何かを始めたい」という起業に関する相談を受けるようになり、根拠を持ってアドバイスをしたいと思ったのがきっかけで国家資格のキャリアコンサルタントを取得しました。勉強をするうちに、仕事と子育ての両立の方法は企業に勤め続けるだけでなくて、自分で選ぶべきだと気付きました。ところが、手に職をつけて仕事につなげるところまでサポートする場所がないのが現状。「それなら自分でつくろう!」と2017年に14年間勤めた百貨店を退職し、2019年にママクリエイターラボを設立しました。
―なぜ、神戸で起業を?
私は神戸で生まれ育ち、このまちが大好きです。起業するなら神戸でと思っていましたので、神戸市の起業相談窓口や商工会議所などに相談をしてたくさんのアドバイスやサポートを頂きました。多くの地元企業のお力添えもいただき、今に至っています。本当にありがたいことだと思っています。
―どういった事業内容ですか。
自分らしい方法で子育てと仕事の充実を図る在宅ママを対象にしたオンラインでのクリエイタースクールです。画像や動画編集、ウェブデザイン、デジタルコンテンツ作成など、WEBスキルの習得を目的とし、午前9時半から正午までZOOMで受講生が顔を合わせて学び、さらにメタバースのバーチャルオフィスで受講生同士が質問をし合ったり、課題を見せ合ったりする時間を設けています。都合がつかない場合は自由な時間に一人での受講も可能です。
―卒業後はフリーで仕事をすることになるのですか。
制作に関わるディレクションについての事業主との話し合いや見積書の作成やなど、慣れるまでは難しい業務がたくさんあります。そこで、卒業後はコミュニティーにママクリエイターとして参加し、弊社が事業主から受託する仕事を業務委託します。オンライン同窓会を開いたり、仕事の悩みを話したり、リアルに神戸で集まりクリスマス会を開いたり、コミュニティーでは卒業生が良い時間を共有しています。もちろん経験を積み、自信がついてきたら個人で新たな仕事を開拓することも可能です。有料コミュニティーに参加している場合は、個人で受けた仕事についても指導を受けたり、他のメンバーに助けてもらったりすることもできます。
―スクールで学んだことが実践で通用するのかという不安もあるのでは?
事業主との交渉を担当するディレクターが必ず一人付き、さらにディレクターとママクリエイターとの間に指導講師を置いています。〝赤ペン先生〟のような存在で、何度もやり取りをして修正を重ねてからオッケーを貰って初めてディレクターに渡します。依頼をいただいた事業主様にきちんとした納品物をお渡しできるようにしています。
―外部講師に依頼しているのですか。
弊社の資格試験を通った講師です。その他、ディレクターや本部の総務、会計、広報、営業など、弊社スタッフすべてがスクール卒業生です。ほとんどが10年ほど仕事を続けてから子育てのため中断し、二次キャリアとしてスクールを受講したママたちです。卒業後はスクールで身に付けたスキルだけでなく、それ以前に培ってきたプロフェッショナルなキャリアも生かせる道も開けています。これは弊社の大きな強みのひとつです。
―受注した仕事については、最後まで一人で担当するのですか。
ホームページやインスタグラムなど制作後のメンテナンスや更新で専門の人材が必要なときに備えて、企業が固定費ゼロで専属クリエイターチームを持つシステムがあります。依頼があった場合は、数人で構成されたチームの中で対応可能なクリエイターが手を挙げます。一人で抱え込まず、子どもの体調が悪いときや一緒にお出かけする予定があるときなどに子育てママたちが協力して対応できる、安心感のあるシステムです。
―「神戸女性WEBクリエイタープログラム」とは?
神戸市の事業にプロポーザルで応募し、受託させていただいている講座です。神戸市の信頼度の高さと集客力に支えられ、他の自治体からもお声掛けをいただき、神戸市と兵庫県朝来市で2023年度から始め、2025年度は熊本県長洲町、鳥取市も加わりました。通常のスクールと同じく、卒業後は弊社コミュニティーに参加します。
―今後の新たな展開や目指すところは?
現在は人材紹介に関わる業務はできませんので、弊社のお客様とママクリエイターのマッチングができるよう免許取得に向けて動いているところです。また企業からのご要望に応じた社内でのデジタル人材活用についてのオリジナルカリキュラムを作り、社員向けの育成講座を提供させていただいており、今後ますます需要が増えるものと考えています。
地方都市に住むスタッフやコミュニティーメンバーから「地元には仕事がない」という声を聞きます。人材が都市部へと流出していくという悩みを持っておられる地方自治体と連携して、地元で子育てしながら仕事ができる環境づくりに積極的に取り組み、4市町にとどまっている講座を47都道府県まで広げようとしています。現在、弊社コミュニティーに参加する〝じまんのママ〟は全国に440人、将来1万人を目指しています。



プロフィール
株式会社ママクリエイターラボ
代表取締役 榊原 杏奈
百貨店で14年勤務し売場運営を担当後、独立。SNS発信やWEBマーケ支援を行い、現在は行政と女性就労支援を展開。全国400名超のママクリエイターを育成し在宅就労を仕組化。女性起業家大賞最優秀賞受賞、サンテレビ「キャッチプラス」コメンテーター。
ママクリエイターラボ本部
株式会社 ママクリエイターラボ
兵庫県神戸市中央区磯上通4丁目1-14
三宮スカイビル7階
https://mama-creator.com/












