4月号
面白いコト、楽しいコトがいっぱい詰まった神戸ポートタワー|4月26日、〝Brilliance〟—赫き(かがやき)にリニューアルオープン!
修復のため〝白いシート〟で覆われていた神戸ポートタワーが2023年12月、新たな〝赤い姿〟を現した。そして今、4月26日のリニューアルオープンに向けて中身が着々と詰め込まれ始めている。展望施設をはじめ、屋上・エントランス・低層フロアの運営を手がける株式会社フェリシモ社長の矢崎和彦さんにお話を伺った。面白いモノ、しあわせなコトを次々と生み出してきたフェリシモがプロデュースする新生・神戸ポートタワーでどんなコトが起きるのか?期待が膨らみます。
―プロデュースを手がけることになった経緯は?
当初、募集に手を挙げる予定はなかったのですが、フェリシモが今までやってきたことを活かせれば、新しいご提案ができるかもしれないと思うようになり、一昨年の秋ごろからできることをいろいろ考えていました。私たちが提案を策定するにあたって提案の骨格に置いたのは、「神戸へのラブレター」というコンセプトでした。神戸に惚れ込んでやってきたフェリシモですから、大好きな神戸の象徴とも言える神戸ポートタワーをもっともっと素敵に輝かせてあげたい、見る人を、訪れる人をも優しく照らしてくれるようなタワーにしていきたい、そう考えていました。作成した膨大な資料を提出したところ書類審査をパスし、昨年3月のプレゼンテーションの結果、光栄なことにフェリシモが神戸ポートタワーのプロデュース事業社として選定されました。
―プロデュースに活かせるフェリシモの強みとは?
ダイレクトマーケティングを手がけているフェリシモは、多様な文化と息をのむほど美しい景観が共存する、情緒あふれる神戸を拠点として、全国のお客さまに商品やサービスをお届けしています。フェリシモから発信しているさまざまな印刷物やWEBサイトなど、自社メディアの向こう側にはお会いしたことのないたくさんのお客さまがいらっしゃいます。こうしたメディアを通じて、ポートタワーのことを伝えることができるという強みがあります。さらに、フェリシモが持つ商品開発と販売という強みで入場料以外の収入につなげることも可能です。プロデュース事業社としての条件である「15年間」という長い期間と、「何をやってもいい」という自由度を最大限に生かして、60年にわたり観光客や市民に愛され続けてきた神戸の象徴とも言える神戸ポートタワーをフェリシモがプロデュースすることでもっともっと素敵に輝かせてあげたいと考えています。
―コンセプトのBrilliance-赫き(かがやき)とは?
フェリシモの本社はかつて大阪にありましたが、神戸の豊かな文化、多彩な魅力、そして自然の美しさに魅了され、この地への移住を決断しました。1994年秋のことでした。
しかし、引っ越しを迎える直前の1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生し、街中は大きく傷つき、交通インフラなども寸断されてしまうという事態が発生しました。
震災で物理的にも心理的にも大きな被害を被った神戸でしたが、その年の2月14日に神戸ポートタワーは再点灯を果たしました。多くの神戸市民が涙ながらにその光景を観たと語り継がれています。神戸ポートタワーの灯りは復興の象徴となり街や人を照らし続けたのです。優しくて愛らしいポートタワーは私たちを元気に、そして幸せな気持ちにさせてくれるこの街になくてはならない象徴的な存在になっています。
それを表現するのにぴったりな言葉を見つけました。それが「Brilliance-赫き(かがやき)」です。
これまで登ることができなかった屋上はBrilliance Tiara(赫きのティアラ)と呼ぶオープンエアデッキとなり、4階にはBriliance Museamと称する光のミュージアムが誕生し、3階にはReady go roundという名のCefe&Barスペースが誕生します。他にも各階ごとに、さまざなまなBrillianceを演出したいと考えています。
―面白いコト、楽しいコトがいろいろありそうですね。
通常、タワーは一回登ればもう終わりですが、ディズニーランドのように何度も来たくなる場所にしたいと考えています。そのためには常に中身を変化させて、面白くしなくてはいけません。「また来よう!」と思える理由付けになる楽しいコンテンツをいろいろ考えています。
例えば、展望3階フロアの「Ready go round」は神戸の街の眺望とグルメを楽しめるカフェ&バーです。フロアは360度回転しますが、この装置は修理ができません。止まったら回転終了です。なので回して使っても止めて使っても構わないとのことでしたが、私たちはこの回転装置を使うという選択をしました。もし止まってしまったとしたら、それすらも楽しんでいただこうとサプライズ企画を用意しています。
また、ちょうどタワーの〝くびれ〟の部分、展望1階フロアは幅1メートル弱で天井が高いスペースです。この空間をうまく活用してギャラリーを開設します。展示第1回目は、Z世代に熱烈な支持を受けているアーティスト・ヨシフクホノカさんのアート展を企画しています。もちろん、コラボグッズも製作しました。今後も幅広いジャンルで若いアーティストたちの応援にもなればいいなと思っています。低層フロア2階のショップにはフェリシモオリジナルタワー商品のほかに、神戸・兵庫の企業さんと開発した商品の販売を予定しています。どんな商品が登場するか楽しみにしてください。特典付きの「神戸ポートタワー会員」無料登録や「年間パスポート」も用意しています。神戸ポートタワー大使も絶賛募集中。神戸出身、神戸在住のアイドルや俳優さんやアスリート、アーティストなどたくさんの推薦が届いています。誰に決まるのか?こちらも楽しみにしてください。
―海外からのお客さんにも来てもらわなくてはいけませんね。
コンデナスト・トラベラーという米国のメディアが2024年に訪れるべき世界の25都市という記事を発表しました。その中で日本からは神戸だけが選ばれるという栄誉に浴しました。デザインやクリエイティブ面が評価されたようです。その記事の中にもポートタワーの再オープンのことも記されています。海外から来てもらうためには、まずは発信が必要ですから、発信したくなる要素をつくらなくてはダメです。
神戸は世界の文化を取り入れて〝ニホンナイズ〟してきた街です。メリケンパークのすぐそばにチャイナタウンがあるなんて、スゴイことですよ。
2025年は震災から30年という節目の年でもあり、この機会に神戸をユネスコ文化遺産に登録するという動きをスタートさせてはと考えています。この機会に神戸をユネスコ文化遺産に登録してはどうでしょうか。デザイン都市・神戸でもありますので、ポートタワーだけでなく神戸のためにも大きな意味があることではないでしょうか。あちこちに働きかけているのですが、さてどうなるでしょうか…。。
―これからもいろんなコトが次々起きそうですね。
いろいろありますよ。足場を覆っていた〝白いシート〟を1枚広げて展示し、お客さまにひと言ずつメッセージを書いていただいたり、このシートをアップサイクルして限定商品を作る準備もしています。時期を決めてポートタワーの外壁を人が登る「タワークライミング」を神戸の新しい年中行事にする!たくさんの人たちが見物して、テレビ局も中継にやってくる。光景を想像しただけで面白そうでしょう?でも安全性の問題があって難しいかなあ︵笑︶。神戸を舞台にして必ず1回はポートタワーが登場する作品を対象にした「神戸ポートタワー文学賞や漫画賞」なども構想しています。これは実現できそうです。やがて本になり映画化され…そして神戸ポートタワーが聖地化される。アイデアは尽きません。
新生・神戸ポートタワーには可能性がいっぱい詰まっていますね。楽しみです!
(3月12日、フェリシモ本社にて)
矢崎和彦(やざき かずひこ)さん
1955年 大阪市生まれ 78年に大学を卒業後、株式会社ハイセンス(現株式会社フェリシモ)入社。同社マーケティング本部長、専務取締役、取締役副社長を経て、87年4月に代表取締役社長就任。2010年4月に毎日経済人賞受賞を受賞。著書『ともにしあわせになるしあわせ―フェリシモで生まれた暮らしと世の中を変える仕事―』
株式会社フェリシモ
ファッションや雑貨など自社企画商品が中心のダイレクトマーケティングの会社です。ひとりひとりがしあわせ共創の担い手となること、人をしあわせにすること、自然・社会・人としあわせになること。それらの経験価値をコアバリューとした「ともにしあわせになるしあわせ」を具現化する“事業性・独創性・社会性” の同時実現を目指した事業活動を行っています。
新しくなったポートタワーの情報はこちらから
https://www.kobe-port-tower.com/