1月号
Movie and CARS|ポルシェ911S
映画:『トップガン・マーヴェリック』
主演:トム・クルーズ 2022年 アメリカ 登場車両:ポルシェ911S
Porsche 911S
文・株式会社マースト 代表取締役社長 湊 善行
トップガン36年目の続編。前作ではトップガン(アメリカ海軍超エリートパイロット養成所)の教官になったマーヴェリック(トム・クルーズ)だったが、続編では極超音速ジェット機のテストパイロットとしてマッハ10の途轍もないスピードに挑んでいた。
テスト飛行中にマッハ10をクリア、管制室からテスト終了を指示されるが、更に限界に挑み記録を伸ばそうとして機体が耐え切れずに空中爆発する。爆発前に脱出したマーヴェリックは責任を問われるが、同時に緊急事態発生(NATO条約違反のウラン濃縮プラント対策事案)によりトップガンの教官として事態収拾に当たる指令がでる。
選りすぐりのパイロットを更に鍛えプラントの爆破と言う危険な任務を遂行させることが使命、その鍵を握るのは教官マーヴェリックである。プラントは急峻な山に囲まれた自然の要塞の中心にあり対空ミサイル、迎撃戦闘機まで配備されている。
熟考された作戦は対空ミサイルを避け山岳部を超低空飛行でプラントに近づき、急峻な山壁に沿って急上昇、プラント中心部に向かって急降下しながら一瞬のタイミングを逃さずにプラントの上部をミサイルで吹き飛ばし、後続機がプラント内部に爆弾を投下させ壊滅させる。
帰路では山の稜線に沿って10Gに耐えながら急上昇、身体も機体も悲鳴を上げるなか、山頂を越えた時点で敵レーダーに捕捉されて対空ミサイルが襲ってくる、全てを回避し迎撃機の攻撃にも対処して帰還しなければならない。高度な操縦技術と判断力が必要でありエリートパイロットでもこの作戦を2分30秒で実行するのは難しい状況だ。
作戦決行日が近づくが訓練は上手く進まない。あきらめムードとともに作戦変更となるのか。そんな折、マーヴェリックはデモンストレーション飛行を行い、見事に時間内にクリアさせる。急遽、編隊長として任命されたマーヴェリックは部下を率いて作戦決行に臨むことになる。
F18の空撮は見事としか言えない、前作を凌ぐスピード感とスリルがあり、全てが実写であることに驚かされる。戦闘機は前作のF14AトムキャットからF/A-18E/Fスーパーホーネット、バイクはGPZ900R忍者A2からカワサキ忍者H2に、車はポルシェ356スピードスターからポルシェ911Sに変わっていて新旧の比較も面白い。
前作の名場面、音楽がミックスされており懐かしさを感じながらも映画として全ての要素を見事に凝縮した作品に2時間11分はあっという間に過ぎる。