2023年
8月号
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Movie and CARS|アルファロメオ・アルフェッタ1.8GT
映画:『ボビー・デアフィールド』1977年 アメリカ(124分)
登場車両:アルファロメオ・アルフェッタ1.8GT
ALFA ROMEO ALFETTA 1.8GT
文・株式会社マースト 代表取締役社長 湊 善行
F1ブラバム・アルファチームのレーサーであるボビー(アル・パチーノ)の愛車はアルファロメオ・アルフェッタ1.8GT。F1レーサーと言うスピードを追掛け、死と隣り合わせの危険な仕事に疑問を感じていた。レース中に死亡事故が発生、巻き込まれて怪我をしたチームメイトの見舞いにスイスの高原にあるサナトリウムに向かった。そこで美しい女性リリアン(マルト・ケラー)と知り会う。リリアンの自由奔放な振る舞いにボビーは戸惑いを隠せなかったが、次第にリリアンの刹那的にも見える過ごし方、魅力に惹かれていく。ふたりはやがて湖畔の美しい宿で愛しあうように。ただ優雅に自由を楽しんでいるように見えるリリアンだったが、実は不治の病に冒されていた。ボビーは病気を知り苦悩しリリアンの存在の大きさに気付く。そしてリリアンをフィレンツェの自宅からスイスのサナトリウムに連れ戻す。ボビーとの愛に自身の全てを賭けるリリアン。ボビーにとってもリリアンが必要だった、愛することが何よりも大切なことだと。ふたりは近づくリリアンの死におびえながらも互いに愛を確かめ、その切なくも美しいふたりの表情に胸を打たれる。劇中、リリアンを乗せたアルフェッタは絵葉書のような美しいスイスの山々や湖畔、古い町並みを走る。アンリ・ドカエのカメラワークと映像の美しさ、デイヴ・グルーシンの哀愁漂う音楽がいい。
アルファロメオ・アルフェッタ1.8GT
1950年代にアルファロメオの名車Tipo158アルフェッタがF1で大活躍、その名を冠したアルフェッタ1.8GTが1974年にデビューした。トランスアクスル方式(トランスミッションを後方に移動させ重量配分を理想の前後50:50にする)を採用、リアサスペンションはド・ディオンアクスル、リアブレーキはインボードディスクでバネ下重量を軽減させる構成。エンジンは伝統のオールアルミ製1,800㏄直列四気筒DOHCを搭載、ボディーはジウジアローのデザインワークにより美しさと走りを高次元で融合させた。ウェーバーを2基搭載し高回転まで心地よく回るエンジンと優れた足回りは多くのファンを魅了した。1976年には2,000㏄にパワーアップされアルフェッタGTVに、1980年には2,500㏄のV6エンジンを搭載しアルフェッタGTV2.5(GTV6)となる。アルフェッタはヨーロッパのツーリングカーレースやラリーで活躍、名車としてのヒストリーを築き1987年に生産終了。1,800㏄ツインカムの高回転域での心地よいエンジン音と軽快なコーナーリング。またGTV2.5の熟成された足回りと官能的なV6サウンドも素晴らしい。50年経った今も、ハッとする存在感を持って輝いている名車。※写真はGTV。
1950年代にアルファロメオの名車Tipo158アルフェッタがF1で大活躍、その名を冠したアルフェッタ1.8GTが1974年にデビューした。トランスアクスル方式(トランスミッションを後方に移動させ重量配分を理想の前後50:50にする)を採用、リアサスペンションはド・ディオンアクスル、リアブレーキはインボードディスクでバネ下重量を軽減させる構成。エンジンは伝統のオールアルミ製1,800㏄直列四気筒DOHCを搭載、ボディーはジウジアローのデザインワークにより美しさと走りを高次元で融合させた。ウェーバーを2基搭載し高回転まで心地よく回るエンジンと優れた足回りは多くのファンを魅了した。1976年には2,000㏄にパワーアップされアルフェッタGTVに、1980年には2,500㏄のV6エンジンを搭載しアルフェッタGTV2.5(GTV6)となる。アルフェッタはヨーロッパのツーリングカーレースやラリーで活躍、名車としてのヒストリーを築き1987年に生産終了。1,800㏄ツインカムの高回転域での心地よいエンジン音と軽快なコーナーリング。またGTV2.5の熟成された足回りと官能的なV6サウンドも素晴らしい。50年経った今も、ハッとする存在感を持って輝いている名車。※写真はGTV。