8月号
harmony(はーもにぃ) Vol.66 感覚過敏って何?(下)
NHK教育テレビの番組「バリバラ」に寄せられた感覚過敏に悩む人たちの声を拾ってみると、「野菜や果物の酸味や苦味で頭痛がする」(32歳)、「生野菜がビニール袋のような味に感じるため、野菜類を一切食べられない」(32歳)、「トイレの水を流す音が苦痛でノイズキャンセリングのイヤホンなしではお手洗いに行けない」(16歳)、「首回りの服を着るだけで首が痛くて、ネクタイをしなければならないところが多く、仕事も制限されてしまう」(36歳)、「触覚過敏で子どもと手をつないだり、ハグすることが苦手」(44歳)。
どれも本人にとっては深刻な悩みなのですが、「感覚過敏だと気がつくまでがしんどかった。頭が痛くなると薬を飲む。なぜ自分はこうなんだと不安になったり、我慢が足りないと言われたりする」「職場で相談すると、上司から、気にしすぎだ、ちょっと神経質すぎる、といわれた。どんなに言葉を尽くしてもわかってもらえない。表面上で判断して心ない言葉を発する人もいる。悩みは深い。」
こうした感覚過敏は他人にわかってもらうことが難しいのです。その理由として「感覚刺激が入ってきて脳の中でどう感じるかは人によって違います。自分が感じることができないと、なかなか想像するのは難しいからです」と和田真さんは考えます。
こうした感覚過敏の人たちのために取組をはじめた企業もあります。例えば、神奈川県のサッカー場では、防音ガラスや明るすぎない照明を設置したセンサリールームを作り、感覚過敏の人たちがその部屋でサッカーを観戦できるようにしています。
北海道の水族館では「音のない水族館」でBGMやアナウンスのないイルカショウを感覚過敏の人たちが楽しめる工夫をしています。まだまだこういう試みは少ないですが、「私たちも、夜にサングラスをつけている人がいても“変なやつ”って見るよりは“何かあの人には理由があるのかも”と想像することも大事なんかな」と番組のコメンテーターが話していました。
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