神戸のカクシボタン　第一〇五回　選りすぐりの食材が一鍋で二度美味しい！！ 奇跡のコラボが実現『畑舎by兵均』

和食, 神戸

以前、本紙で紹介した人気の野菜創作料理『畑舎』とジビエ料理専門店『兵均』が奇跡のコラボを実現した。「コロナの影響で客足も6割になるので一緒になって12割にしませんかと誘いました」。ラグジュアリーな店内、大皿に猪肉を盛り付けながらオーナーの西本和浩さんは微笑む。海と山に挟まれた神戸市に生息する猪はカロリーが低く鉄分豊富、特にメス肉は柔らかく臭みがない。それを神戸初のジビエ肉加工工場で精肉し提供している。続いて大将の宇田政太郎さんが北区の自社農園で栽培した野菜を配膳する。本来は主役を張る逸品、鮮度が高く素材の味が楽しめる。
これらの食材を融合させた新メニュー「火鍋」が話題を集めている。特徴は紅白から成る二色のスープ。自家製味噌を溶いた四川風は辛さの中に甘味がある。対する白湯は鶏ガラベースのあっさりした味付け。肉をくぐらせ、そのまま食すもよし、手作り胡麻タレで味変するもよし食べ方は自由だ。「安全快適な個室で気心しれた仲間と食べて欲しいです。下処理が迅速で完璧な猪肉は赤みがなくなる程度のしゃぶしゃぶで食べることができます。美肌とアンチエイジング効果が期待できる薬膳料理ですから女性にも人気です。シメの刀削麺も美味しいですよ」と語る西本さん。寒くなれば名物「ぼたん鍋」の季節が到来する。一年通して鍋を囲み至福のひと時を堪能することができる。

西本和浩さん（右）と宇田政太郎さん

2色に染まる絶品スープ

目と味で楽しめる食材

■岡力（おか りき）

コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」（大阪日日新聞）「球友再会」（月刊神戸っ子）