1月号
harmony(はーもにぃ) Vol.47 難病のこどもたちの夢を叶える 「Make- A-Wish of Japan」㊤
[メイク・ア・ウイッシュ]とは「願い事をする」という意味ですが、文字通りのボランティア団体がアメリカをはじめ、世界の62の拠点で難病の子どもたちの夢を叶えるために活動しています。
メイク・ア・ウイッシュは1980年にアメリカで始まりました。
アリゾナ州に住むクリスという7歳の男の子は警察官になるのが夢でした。しかし、白血病になり、学校に行くことも出来なくなってしまいました。この少年の夢を知った警察官達は本物そっくりの制服とヘルメットを用意し、クリスを名誉警察官に任命することにしたのです。小さな名誉警察官は規則に従って宣誓し、駐車違反の取り締まりもし、ヘリコプターにのって空からの監視もさせてもらいました。ミニチュアのバイクをプレゼントされ、クリスは大喜びでした。5日後クリスは亡くなりました。警察では名誉警察官のための葬儀を執り行いました。ほんの短い間でしたがクリスの夢は叶ったのです。
クリスの夢の実現に関わった人たちは、他にも大きな夢を持ちながら、難病のために夢を叶えることが出来ない子どもたちがいるに違いないと考えました。こうして設立されたのが「メイク・ア・ウイッシュ基金」なのです。
日本では「メイク・ア・ウイッシュオブジャパン」がメイク・ア・ウイッシュ・インターナショナルの正式な支部として1992年12月に設立されました。
そのいきさつは、1992年当時沖縄在住の主婦、スーザン・アルブライトがアメリカで理学療法士をしていたときに「闘病生活の中での夢を持つ子どもの瞳の輝き」に心を打たれ、日本でもぜひともメイク・ア・ウイッシュの活動をはじめたいと願ったことが始まりでした。神戸にも関西支部が出来、私が訪ねたとき、ボランティアは「難病の子どもたちの本当の願いは自分の病気が治ることなのでしょうね。でもそれは叶えにくいことなのですから、子どもたちが願う夢は2番目の夢なのです。この活動は最後のお願いではありません。夢が叶うことで、子どもに次の夢が生まれてくるんです。その夢を持つことが生きる力になるのです」と私に話してくれました。関西支部はその後、大阪に移りました。
<次号に続く>
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