10月号
harmony(はーもにぃ) Vol.43 目と口の文化
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、日本はもちろん、世界中の人たちがほとんどマスクを着用するというのはこれまでにほとんど例がないことでした。
日本人はマスクの着用にはあまり抵抗がないようですが、アメリカやヨーロッパの国々の人たちには口を覆うと言うことには馴染んでいないのか、気が進まない人が多いと聞きました。なぜかというと、口を使ってのコミュケーションを大切にする文化があり、マスクによる口封じには抵抗があると言う説があります。一方、欧米の人たちはサングラスなどで目を覆ってしまい、他人から見れば、どこを見ているのか分からない不安さがあります。もっとも、彼らの青い瞳は日本人のように黒い瞳よりも太陽光線の影響を受けやすいので、サングラスをしている人が多いとも言われています。
一方、日本人は口よりも目によるコミュニケーションを得意とするらしいのです。
「目は口ほどにものをいう」「あのひとは目利きだ」「目はこころの窓」「眼力がすごい」「障子に目あり」「目から鼻へ抜ける」「目に入れても痛くない」など口よりも目による効果をうたう表現が多いようです。
スマートフォンで使用する顔文字に日本人なら (^_^) (>_<) (*_*) (;_;) (@_@) 等を使ってもお互いに意味は分かりますが、アメリカ人には分からないようです。
アメリカでは :) :( :D :〈 :Pというような顔文字を使いますが、これらの顔文字は目の文化と口の文化を象徴しているようにも思えます。すなわち、日本の顔文字は目の変化でお互いに伝わりますが、アメリカ人は口の変化で表現するようです。
マスクをしていると会話に困るのが耳の聞こえにくい聴覚に障害を持つ人たちです。手話で会話をしても口の動きはわかりませんし、顔の表情が見えにくいので、コミュニケーションに支障をきたすと言うことです。
私たちの普段の会話は目も口も鼻も顔全体を使って意思の疎通を図っていることに改めて気づかされた思いをしています。
川柳を一つ。「マスクして 口よりしゃべる 女房の目」
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