8月号
第37回 六甲クイーンズオープントーナメント
95名の頂点に君臨した女王は女子高生ボウラー
7月2日・3日、神戸市灘区の神戸六甲ボウルにて第37回六甲クイーンズオープントーナメントが開催され、プロ85名、アマ10名のボウラーが熱戦を繰り広げた。この大会は女子ボウリング界でも屈指の歴史と伝統を誇り、1981年に開催された第1回大会では昭和の一大ボウリングブームを巻き起こした中山律子プロが2位にランクインしている。「さわやか律子さん」の時代には及ばずとも、昨今は華やかな「P★リーグ」が活気づき女子ボウリングの人気が上昇中で、コロナ感染拡大防止のため観客来場は制限されたがCS放送やネットでライブ中継され、ボウリングファンの熱い視線を集めている。
初日は予選。10ゲームのトータルピン数を競う長丁場で上位32名が突破したが、昨年度覇者の坂本かやプロがここでまさかの敗退。二日目は準決勝で上位8名、さらに決勝ラウンドロビン(総当戦)で4名が勝ち残ってTV決勝(順位決定戦)へ進出した。
TV決勝は勝ち残った4名が、順位を決定するステップラダートーナメント方式。まずは暫定4位の本間由佳梨プロと暫定3位の小池沙紀プロが対決し、人気P★リーガーの小池プロが接戦を勝ちきった。続いて小池プロと暫定2位のキム・ソヒョンプロが相まみえたが、小池プロが弾けるようなフォームで2度のターキーを達成、スコア差53ピンという快勝で大一番へ駒を進める。
勝ち上がった小池プロと暫定1位通過の中島瑞葵プロの優勝決定戦は手に汗握る展開に。小池プロは直前ゲームの勢いそのままに第5~7フレームでターキーを決め勝負あったかに思えたが、昔からささやかれる「六甲の魔物」の出現か終盤で失速。一方の中島プロは強心臓ぶりを発揮し、土壇場の第9フレームからターキーで大逆転、203対194とわずか9ピン差で女王の座に。
中島プロはなんと17歳の現役女子高生で、今年プロテストに合格し、プロデビュー。レディース新人戦に続いて初のレギュラーシーズンの出場で今大会制覇となった。プロ入りして出場した2大会連続での優勝、新人離れした落ち着いたプレーに末恐ろしさを感じさせるが、表彰式ではあどけなさが残る笑顔で観衆を魅了した。ボウリング界に出現した「超新星」はこれからますます注目を集めそうだ。
ベストアマには総合17位と奮闘した神戸六甲ボウルから出場の石田万音アマが選ばれた。石田アマは16歳。近いうちに中島プロのライバルになるのではと期待される。
世代を越えて楽しめるボウリングの魅力をこれからも
六甲クイーンズオープントーナメントは西日本で最も歴史ある大会で、阪神・淡路大震災で一時中断したものの、おかげさまで37回目を無事迎えることができました。プロボウラーのみなさまが最高のパフォーマンスを発揮する場として今後も続けていく所存でございます。
神戸六甲ボウルは、グループの中核会社である小泉製麻株式会社の事業転換の一環として昭和47年にオープンしました。しかしながら近年は、楽しみ方の多様化という時代の流れの中で、全国でボウリング場が減少傾向にあります。そんな中、神戸六甲ボウルはグループの広告塔としての役割もさることながら、地域のみなさまのレジャー、健康づくりの場、家族や友人とのふれあいの場、競技ボウラーの活躍の場として、長年ご愛顧いただいています。引き続きボウリングファンのみなさまや地域のみなさまにお楽しみいただけるよう、地域の名門センターとして、頑張っていきたいと思います。
ボウリングはお子様からシニアの方まで世代を越えて楽しめるスポーツです。専属男子プロ2名、今年新たに加入した「P★リーグ」でも活躍しているトッププロボウラー寺下智香をはじめ女子プロ2名が所属しており、これからもボウリング教室やプロチャレンジといったイベントを企画し、ボウリングの魅力を伝えていきますので、ぜひご来場ください。