2021年
8月号
8月号
神戸のカクシボタン 第九十二回 武庫之荘でローマの下町風情を満喫
トラットリア・ピッツェリア・バル『カサレッチョ』
焼きたてのピッツアとスパゲッティを手に「武庫之荘は大好きな街、ローマの下町と似て最高や」と関西弁で話すのは『カサレッチョ』オーナーのファブリッツィオ・ヴァレンティニィさん。ピッツア職人だったお兄さんの影響で16歳からレストランで働き、34年に渡り料理の世界に携わる。留学でローマを訪れていた尼崎出身の奥様と出会い、結婚を機に来日。駅前に位置する閑静な住宅街の一角に構えたお店には、その味を求めて地元や京阪神から多くのお客様が足を運ぶ。店名は、地元の言葉で「家庭料理」を意味する。全てイタリアから仕入れる調味料で忠実に母の味を再現している。ランチ時は、二人以上で訪れ別メニューをシェアしながら食卓を囲むのがイタリア流。常時50種あるワインボトルを並べながら時間を忘れて語らうことができる。また近隣店舗にも卸すというティラミスやジェラートはシメに最適。気取らず温かみのある装飾が施された店内では本場の雰囲気をリアルに体験することができる。昼下がり、夏風にあたりながらグラス片手にお酒が飲める喜びを噛みしめる。これからの季節、自宅からすぐのリトルイタリアを何度も訪問したい。
■カサレッチョ
兵庫県尼崎市南武庫之荘1-22-23
【電】06-6432-3232
【営】ランチ11時30分~14時
ディナー18時~22時
【休】火曜
http://www.casareccio.jp/
■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「あての履歴書」(大阪スポーツ)