2021年
1月号
1月号
連載コラム 「続・第二のプレイボール」 |Vol.13
関西から有望な選手を発掘 愛敬尚史さん
<東北楽天ゴールデンイーグルス スカウト部>
文・写真/岡力<コラムニスト>
「ぱっと見た時に良い選手って雰囲気があります。かっこいい人は野球も上手ですね」。そう語るのは東北楽天ゴールデンイーグルス・スカウト部でマネージャーを務める愛敬尚史さん。かつて大阪近鉄、楽天で投手として活躍した元プロ野球選手である。
大阪府高槻市出身、水泳に励んだ幼少時代。小学4年の時、友人に誘われ野球を始める。地元の強豪・金光第一高校(現・金光大阪高校)では一年秋からベンチ入り。卒業後はレベルの高い環境を求めて帝京大学に入学した。大学時代は後に千葉ロッテへ入団する里崎智也さんとバッテリーを組み輝かしい成績を収める。松下電器に入社後はプロ注目の存在となり2000年に行われたドラフト会議で大阪近鉄バファローズより2位指名を受け入団した。その後、球団合併に伴い楽天へ移籍。故・野村克也監督から「野球人生は短い、終わってからの方が長い」と社会人の心得、人間形成を学んだ。また後輩だった田中将大選手に関しては「全てにおいて別格。あれほどの逸材には出会わないと思う」と振り返った。
現役引退後は同球団のジュニアチームで指導者を経験し念願だったスカウト部に配属。現在、関西エリアを担当し多くの有望選手を獲得している。「いろいろな人に出会えるのでプロというより野球をやっていてよかった。スカウトをしている間に母校からも選手を獲得したいですね」。今日もスタンドから熱い眼差しでアマチュア選手を見守る。
(取材協力)金光大阪高校