2020年
12月号
12月号
神戸のカクシボタン 第八十四回 海を眺めながら神戸の魅力を発信 ラジオパーソナリティー・田名部真理さん
写真/文 岡 力
「中山手に住んでいたので高校時代は、東門筋が通学路でした。様々な職業や国籍の友達に囲まれ多様性の中で人間関係を築きました」。そう語るのはラジオパーソナリティーの田名部真理さん。何事にも好奇心を持つ気質は神戸の土壌で養われたと振り返る。
幼少期から役者に憧れ演劇一色の青春時代を過ごす。大学在学中には震災を経験。3カ月の避難所生活で「明日は来ないかもしれない」と悔いのない人生を前向きに考えた。
卒業後は、大手書店を経て甲南中学・高校で教壇に立った。夏季休暇に副業が可能だった事から始めたラジオリポーターの仕事。教職にもやりがいを感じていたが生徒からの後押しもあり専念する事にした。「神戸には西條遊児さんや谷五郎さんという偉大な先輩が思いを込めてつくった道があるのでしっかり追いかけて行きたいです」。今秋からは日本を代表する劇作家・平田オリザさんとラジオ番組がスタート。「今までパーソナリティーを演じてきた甲斐がありました」と夢の実現に意気込む。
スタジオを飛び出し現場取材を心掛ける田名部さん。兵庫五国には農家や漁師など信頼のおける仲間がいる。「いつもスタジオから海を眺めていますが日によって表情が変化します。今後もいろいろ企んでいきたいですね(笑)」。これまでの実績を武器にメディアを通じてとっておきのネタを地産地消していく。
■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「合間日和」(神戸市消防局監修・雪)「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「あての履歴書」(大阪スポーツ)