10月号
harmony(はーもにぃ) Vol.32 宇宙飛行士の地球観
「見上げた地球の背後に、宇宙空間の漆黒の闇がただただ広がっていた。昼間の地球はその闇に縁取られるようにして、神々しいほどの輝きを放っていた」(山崎直子)。
「自分はいわば地球という大きな生命体を構成する細胞の一つといえるのではないか。その1個の細胞である私の中には地球と生命がともに歩んできた歴史が刻まれているのだ」(毛利衛)。
「我々の生命はほんのわずかの大気層に守られて生存していることに地球の弱々しさを実感した。私は宇宙飛行士になって以来、他の国を尊重するようになりました。あの国は間違っているというような思考の癖はなくなりました」(油井亀美也)。
「僕は地球を見ながら、われわれは本当にラッキーだ。このような美しい水の惑星を故郷と呼べるということが、こうした環境をもらえたことがどれほど小さな可能性であったか。それは宇宙に行って帰ってくることで自分の最も変化した地球に対する愛おしさの感覚でした。」(若田光一)。
毛利氏は宇宙から地球を見たとき、それが一つの生命体であるという感覚を持ち、「ユニバソロジの世界観」と自らが呼ぶ概念を作りました。それは人間中心の考え方から脱却し、「生命のつながり」を意識するための概念です。遠い将来、もっともっと多くの人間が宇宙に行くようになると、世界観が変わっていくだろう、と語る宇宙飛行士もいます。宇宙から見ると、際限のない人間の欲望がこのままつづき、科学技術や経済の発展、人口の増加、自然破壊、資源の枯渇、等が進むと、人類は生き延びていけるのか、と不安を感じている宇宙飛行士は少なくありません。
人類を含む多種多様な生命が共存できる生命体としての地球の未来を考えるためには、宇宙飛行士たちが美しくも壊れそうな地球を見て感じたという生命観や世界観が必要なのかもしれません。たまにはコセコセした雑念から離れてぼーっと秋の夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。
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