2020年
8月号
8月号
スーパーコンピューター「富岳」が計算速度世界一位に!
スーパーコンピューター「富岳」が計算速度世界一位に!
世界一の力を活用して、世界一の成果が得られることに期待
ポートアイランドにある理化学研究所と富士通が共同で開発したスーパーコンピューター「富岳」が、スパコンの計算速度ランキング「TOP500」において世界1位を獲得。さらに3つの部門でも世界1位を獲得し、史上初の4冠となった。日本が世界に誇るスパコンのスーパー天才ぶりとその活用への期待について、理化学研究所 計算科学研究推進室の辛木哲夫さんにお話を伺った。
驚くべき、計算スピード
国民110年分の計算を、たった1秒で!
─今回、計算速度世界1位となった「富岳」は、1秒間に約41京5530兆回の計算ができるとか。「1京」=10,000,000,000,000,000というケタ数がすごすぎて、どれほど速いのかの想像がつきません!
わかりやすく説明しますと、例えば、日本人1億2000万人が電卓を持ち寄り、1秒間に1回、24時間不眠不休で計算し続けたとして110年かかる計算を、「富岳」だと“たったの1秒” で完了できるということになります。
─110年! 人生100年時代と言われていますが、勤勉な日本人が総力を尽くしても生きているうちに終わらないほどの計算を1秒で終わらせてしまうのですね。
1秒間あたりの計算回数が多いほど、スパコンから得られる答えの精度が高くなります。同事例は人間の計算能力でこなすことが難しい小数点以下15桁の四則演算で表現していますので、スピード的にはもっと速いことを理解いただけると思います。ちなみにランキング2位のアメリカのスパコン「サミット」は1秒に約15京回なので、「富岳」はその3倍近くもの計算能力を誇るということです。