2020年
6月号
6月号
神戸のカクシボタン 第七十八回 駄菓子が華麗なる料理に変身 『禁煙立呑み ゼファー食堂』
写真/文 岡 力
駄菓子が華麗なる料理に変身
『禁煙立呑み ゼファー食堂』
居酒屋探訪をする食ブロガーのお店が話題を呼んでいる。昨年、JR神戸駅からすぐの場所で開業した「禁煙立呑み ゼファー食堂」。海側の国道沿いでひときわ目立つパンダの暖簾が目印だ。女性客に配慮し喫煙や不要なしゃべりかけを禁止したルール設定。洗練された店内は、早い時間から多くのお客で賑わう。
材料は地産地消にこだわり明石の「まえもん」を仕入れている。海峡の早い潮流で鍛えられた魚介はどれも絶品である。ファーストドリンクに名物「緑茶割」を選び乾杯。店主自ら丁寧に茶筅で点ててくれるのが嬉しい。旬の肴をあてに日本酒で一杯したいところだったが気になるボードを発見。「ありそうでなかった?なかったようであった」と書かれたフレーズの下には、「駄菓子ロールサンド」と称したメニューがずらりと並ぶ。
物は試しと言わずもがなのスティック菓子「うまい棒」を注文する。しばらくするとカウンターにでんと置かれたホットドックのような食べ物を恐る恐る口にする。「めんたい味」は、焦がしチーズが見事にマッチし想定外のボリューム。ハチミツがかかった「シュガーラスク味」は、スイーツと言える逸品だった。昔懐かしい「ミルメーク割」で高まる気持ちを落ち着かせオススメの「フィッシュ&チップス」をお願いする。皿上のポテトチップスにチーズ&ちりめん山椒がトッピング。これには、「もう立派な料理だよ」と美味しんぼの山岡士郎モノマネで感服した。初めて経験した魅惑「おつまみ駄菓子」の世界。思わぬ場所でお酒を飲みながら童心にかえる事ができた。
■禁煙立呑み ゼファー食堂
神戸市中央区相生町5─1─15 エムビル1階
【営】16時~23時(L・O 22時30分)
【休】日曜・祝日/土曜 不定休 【電】080─6753─8062