6月号
<特集> Dolce Vita! 人生は笑っているほうがいい!
「enzo」へ行く。それは、神戸の中の〝イタリア〟へ行く- Enzo Pizzeria Ristorante Kobe
「enzo」へ行く。それは、神戸の中の〝イタリア〟へ行く
Enzo Pizzeria Ristorante Kobe
南イタリアをイメージした明るい店内、陽気で楽しいシェフのVincenzoさん(愛称エンゾさん)。丸ごとイタリアのような空間「enzo(エンゾ)」は、神戸在住の多くの外国人が好んで訪れる。その一人ルカさんと初めてやって来た久内さんにとっても、今ではお気に入りの場所になっている。
神戸はバランスが取れた街
10歳の頃からレストランの手伝いを始めたエンゾさん。イタリアを出てドイツ、デンマーク、オーストラリア、マレーシアと海外の料理界で仕事をしながら修行を積み、日本へは6年前、観光でやって来た。イタリア料理店から「働かないか」と誘いを受け、ワーキングビザを受給し、その後ずっと神戸で暮らしている。世界各国を見てきたが、日本がとても気に入ったという。「安全だからリラックスして暮らせます。日本人はホスピタリティーを持っていて、とても礼儀正しい。交通機関やいろいろなことがきちんと動いているのもいい」。その中でも神戸が好きな理由は、「海も山もあって、東京や大阪のように大きすぎないけれど、何もないわけでもない。バランスが取れた街ですね」。
故郷の南イタリアを
イメージした明るい店内
出身は南イタリアのプーリア州バルレッタ。大きな観光地ではないので日本ではあまり知られていないが、オリーブ園やワイン工房がある海辺ののどかな街。2年前、「enzo」オープンにあたって大好きな神戸を選び、内装は故郷プーリア州アルベロベッロにある白い尖がり屋根の建物をイメージし、白を基調にして明るく、高い天井が開放的な雰囲気。一歩店内に入っただけでイタリア気分。広い厨房ではピッツァ、パスタ、ラザニア、フォカッチャ…次々と同時に手際よく仕上げていくエンゾさん。目指しているのは、「伝統的なイタリア料理を基本にしながら、新しいものを取り入れるオリジナルなお料理」。神戸は肉をはじめ、野菜や魚など、何でも新鮮で良い食材がそろうことがレストランにはとてもいい環境だという。シェフはイタリア人、スタッフやお客さんにもイタリア人が多くてイタリア語が飛び交い、日本人向けに特別なアレンジをしているわけではないお料理。「イタリアンレストランに行くのではなくて、神戸の中の〝イタリア〟へ行く。お客さんにはそんな感覚で来てほしい」。
イタリア人はお喋り好きで、
美しいものが好き
お喋り好きで、家族を大切にするのがイタリア人。「時間をかけてゆっくり食事をしながらコミュニケーションを取ります。特に南イタリアの人たちの会話はほとんどがジョーク(笑)」。「そんなに喋って疲れませんか?」という問いには、「僕は喋らないと、疲れてしまう」とジョークで返してくれた。日本人とは全く気質が違う。「でもどちらも優しい。優しさの質はちょっと違うけれど。南イタリアとは食べ物が似ていますよ。生の魚や貝を食べるし、同じ食材を見つけることもあります」。
なぜイタリア人はみんなオシャレなのかを最後に尋ねてみた。「ファッション、車、街、建物、アート、そして料理も、全て〝美しく〟を考えているから。みんなと同じものが嫌いだから、常にもっと美しいものを作り出そうとしています。自分自身の中でもそうだし、他人が作ったものをもっと美しくしようとお互いを高め合っています」。
Enzo Pizzeria Ristorante Kobe
神戸市中央区中山手通2-21-3 中山手東神ビルB1F
TEL.078-222-5077
ランチ 11:30~14:30
ディナー 17:30~22:30
定休日 火曜日