6月号
<特集> Dolce Vita! 人生は笑っているほうがいい!
美味しいお料理が楽しい時間と共にある。これがイタリア流- R valentino
美味しいお料理が楽しい時間と共にある。
これがイタリア流 R valentino
爽やかな初夏の風が吹き抜ける店内。JR三ノ宮駅からすぐというロケーションを忘れ、地中海の風に吹かれているような気分になる「R Valentino」。明るくて温かな空間にイタリア流〝Dolce Vita〟な時間が流れている。
海が見える街・神戸で店を構えて二十余年
イタリア半島のつま先カラブリア州、地中海に面した港町チェトラーロで生まれ育ったオーナーのピエトロさん。料理修行をしていたイタリアを飛び出し経験を積みながら見識を高め、イタリア料理を世界に広めていた。一旦帰国してさらに修行をしたピエトロさんに、神戸北野の人気イタリア料理店「ベルゲン」から声がかかり、1991年、日本へやって来た。「この街の第一印象は?」という質問に、「コウベ?日本のどこですか?私は東京へ行きたいのに…と残念だった」という答えが返ってきた。伊丹空港に着き、「家と山しかない」とガッカリ。神戸に着いてホテルの窓から外を見たら、「海がある!とても嬉しかった」と満面の笑顔。ちょうどバブルの時代、街は夜中まで賑やかで、「楽しそうな街だな」とすっかり気に入ったという。ところが仕事は「東京での新店舗展開」だと聞かされて、またガッカリ。「仕事だから仕方がない」と行ってみたら、人がいっぱい、暑い、電車はギューギュー詰め…「早く神戸へ帰りたい」。2カ月で念願が叶い、その後独立して店を構えて以来20余年、この街で美味しいイタリア料理と共に、陽気で楽しい時間と空間を提供している。
新鮮で美味しい食材がそろう神戸
神戸の良いところは食材が豊富なことだという。「神戸牛はもちろん、お肉の美味しさは格別です。塩分が強い地中海で育ったものとは違うけれど、瀬戸内の新鮮な魚介類がたくさんあります。ハウス栽培の野菜は一切使わないのがイタリア料理だから、新鮮な旬の野菜が手に入るのもいいですね」。日本では納得のいくものが調達できない食材や調味料類、ピエトロさん自身がお気に入りのワインなどは直接イタリアから仕入れている。お勧めは季節によって変わるが、15年前の移転の際に「これだけは譲れない」と、薪で焼く石窯を置いた。「イタリア人の職人が焼く本場のピッツァをぜひ食べてください」
明日のことなど分からない。今日は笑って楽しく過ごす
たくさんのお客さんでいつも賑わうR valentino。「人気の秘密は?」。「イタリア料理だけでなく、いろいろなレストランへ出かけて食事するのは何のためかというと…もちろん美味しいものを食べたいから。でもお料理と一緒に楽しい時間を過ごしたいからです。ここへ来たお客さんは2時間も3時間も、お喋りしながらゆっくりと食事の時間を過ごしています。私たちも美味しいお料理を出すことはもちろん、楽しんでもらえることをいつも考えています」
「イタリア人はなぜ、いつも笑顔なのですか?」と尋ねてみた。「お金がない、仕事がない、税金は高い…(笑)、困ったことはたくさんあります。考えても仕方がない、笑っているほうがいい。明日生きているかどうかも分からないのだから、楽しく仕事をして、美味しいものを食べて飲んで、今日は笑って楽しく過ごす。これがイタリア人」
R valentino
神戸市中央区加納町4-5-13
ヌーバスピリトビル 3F
TEL:078-332-1268
月曜日~金曜日
ディナー 17:00-22:00(L.O)
土日祝日
ランチ 11:30-14:00(L.O)
ディナー 17:30-21:00(L.O)