9月号
100のモノが語る 世界の歴史 大英博物館 展
2015年 9月20日(日)~2016年 1月11日(月・祝)
人類の文化遺産の殿堂大英博物館
神戸市立博物館 学芸員 東 喜代秀
英国ロンドンにある大英博物館は1753年に創設され、世界中のあらゆる地域と時代を網羅したコレクションを誇ります。今回の展覧会は大英博物館館長ニール・マクレガーによる解説で人気を博したBBCのラジオ番組にもとづき、大英博物館が総力を結集し、全8部門約700万点の収蔵品から厳選した100の作品を通じて、200万年前から現代に至る人類の歩みをたどる試みです。
展覧会は2014年のアブダビ(アラブ首長国連邦)に始まり、台北(台湾)、東京、福岡、神戸を経て、オーストラリアへと世界を巡回していきます。
東京会場(東京都美術館)では期間中延べ30万人もの入場者が作品を鑑賞しました。現在福岡(九州国立博物館)で開催されていますが、いよいよ9月20日(日)から神戸市立博物館で始まります。
時代と地域を超えて
選ばれた品々は、一見して何気ない日用品から教科書にも登場する芸術的な名品まで多岐にわたります。100の「モノ」たちは、それらを手にした人々の日々の営み、信仰の対象、激動する社会背景など、様々な「歴史の断片」を私たちに語りかけます。
作品の舞台となる場所は、最古の石器が作られた人類発祥の地アフリカから現代のグローバル社会まで、「モノ」を手がかりに人類の歴史をたどります。それはアジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、南北アメリカと世界中にまたがります。まさに時代と地域を超えた200万年の世界旅行です。
人気映画や教科書でもおなじみの名品が来日
ハリウッド映画「ハリー・ポッター」第1作に登場する「ルイス島のチェス駒」、日本で教科書に紹介されている「ウルのスタンダード」など、収蔵品の中でも抜群の知名度を誇る名品が出品されます。さらに大英博物館の代名詞ともいえる「ロゼッタ・ストーン」は、今回のために原寸大のレプリカを同館が新たに制作し展示されます。
その他大英博物館が所蔵する古代エジプトの偉大な王である「ラムセス2世像」、ギリシャ彫刻の影響を受けた「ガンダーラの仏像」などが出品されます。
これら名品を作った人は何を考え、どのような時代を生き、何を信じていたのか。100のモノに秘められた物語を読み解き、時空を超えた世界旅行をお楽しみください。
なお開催館が選ぶ、21世紀を象徴し未来へ遺す101点目のモノとして、神戸では「石英ガラスの記録媒体」を展示いたします。なぜ101点目がそれなのか、知りたければぜひ展覧会にお越しください。ところで、あなたにとっての101点目は何ですか?
All photographs© The Trustees of the British Museum
神戸市立博物館
神戸市中央区京町24
http://www.city.kobe.lg.jp/museum/
■観覧料(当日)一般 1,500円
大・高生 1,100円
中・小生 600円
■開催 2015年9月20日(日)〜2016年1月11日(月・祝)
■開館時間 9:30から17:30(土曜19:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
■休館 月曜日、10月13日(火)、11月24日(火)、
12月29日(火)~2016年1月1日(金・祝)
※ただし9月21日(月・祝)、10月12日(月・祝)、
11月23日(月・祝)、2016年1月4日(月)、11日(月・祝)は開館
■お問い合わせ
TEL.078-391-0035(神戸市立博物館)
■公式サイト http://www.history100.jp
■アクセス
・新幹線「新神戸」から南へ車で約10分
・神戸空港からはポートライナーで約18分、
「三宮」下車
・各線「三宮」から南西へ徒歩約10分
・JR、阪神「元町」から南東へ徒歩約10分