2月号
〝食〟の未来を考えるということは、これからの〝社会〟を考えること
「食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES.兵庫」が1月15日・16日、神戸朝日ビルディング1Fピロティスペースで開催された。農林水産省が推進する「NIPPON FOOD SHIFT」(以下、NFS)は消費者・生産者、食品関連業者をはじめ、この国の「食」を支えるあらゆる人たちと行政が一体となった「考え、議論し、行動する」国民運動。Z世代を中心にした意外な発想や食の新しい楽しみ方などを紹介し話し合うトークセッション、展示・体験、33店が出店するマルシェが開催された盛りだくさんの2日間をご紹介します。
聞く。トークセッション
国産食材でカレープロジェクト
オープニングは「国産食材でカレープロジェクト」。〝ただし〟「スパイスは外国産でOK」。挑戦して完成したカレーを披露したのは堕天使かっきーさんと村上宙さん。企画の趣旨は「どこまで可能かを検証する」だったが、「普段から国産食材探しを楽しんでいる」という2人はスパイスも国産を調達&国産食材で代用。「これには驚きました。いい意味で企画を潰された」とMeets Regional編集長の松尾修平さん。
EAT LOCAL KOBE バトンをつなぎシフトする神戸へ!
神戸市都市部の消費者と北区や西区の生産者の思いをひとつにした「EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET」。食都神戸推進の一環として神戸市と連携して始まってからの経緯を(一社) KOBE FARMERS MARKET代表の小泉寛明さんが紹介。東遊園地で毎週土曜日開催のFARMERS MARKETは8年目を迎え神戸市民に親しまれている(改修工事中につき現在は場所を移動)。14日には併設イベントとして旧居留地で開催された。続いて、地産品が毎日買える「FARMSTAND」、農業スクール「MICRO FARMERS SCHOOL」と学生のための「YOUTH」などについて副代表の小泉亜由美さんが、スクール講師の森本聖子さん、生産農家さん、学生ボランティアさんのお話も交えて紹介した。
聞く。トークセッション
Z世代による発表
昨年度のNFSのために誕生した「もぐもぐふぁーむラボ」のZ世代メンバーが活動を通して変容してきた食に対する価値観について、龍谷大学農学部学生有志が「持続的な食循環プロジェクト」について話し、初日のトークセッションは終了した。
FANTASTIC OPEN RADIO
2日目の「FANTASTIC OPEN RADIO」はFM802のDJ土井コマキさんが聞くマルシェ出店者の普段の取り組み。故郷の徳島県三好市に移住したassobimotte代表横山道雄さん、土づくりと種づくりを意識した農業を目指す「土種」の池島耕さんが登壇。シチニア食堂のイタノシゲさんは料理開拓人の堀田裕介さんと立ち上げたYouTubeチャンネル「月刊デリシャスマガジン」について話した。
食都神戸 LOCAL ACTION
「食都神戸LOCAL ACTION」には、高知県のthe groceries shop Lokaの市吉秀一さん、岡山県美作市の古民家で「あんこやぺ」を運営する竹内由里子さんに続き、神戸の学生とクリエーターが協働で農漁業の魅力を発信する「KOBE〝にさんがろく〟PROJECT~ノーギョ・ギョギョ・ギョギョーラボラトリーズ」運営事務局メンバーと漁師の池尻宏典さんが登壇。「シラス漁獲量日本一は神戸」という情報を聞いた人の目からウロコが落ちる?!「KOBE BEEF」と並ぶブランド「KOBE FISH」を目指す!熱く語り合った。
産地を未来へつなぐマーケティング
ーぶどう山椒の発祥地を未来へつなぐプロジェクト-
トークセッション最後は開発商品をマルシェにも出店した龍谷大学藤岡ゼミ生が、和歌山県有田川町発祥の「ぶどう山椒」を未来へつなぐプロジェクトを紹介した。
見る、聞く。「シ展。」
京都芸術大学情報デザイン学科の学生が「食料自給率」「規格外野菜」「フードロス」「適正価格」などに関してZ世代ならではの「シテン(視点)」で問題点をリサーチして検証。見つけたアイデアをグループ展示する「シ展。」。トークセッションでは2日間3回にわたり10チームが探求からアウトプットまでのプロセスをプレゼンテーションした。
手に取る。マルシェ
FANTASTIC MARKET(※)を通じて集まった安全・安心や環境への負荷の軽減など食に関する問題に取り組み、社会の現状やさまざまな問題点に着目し改善策を創意工夫する生産者の中から、兵庫県内を中心に中国・四国地方の33店舗が出店し2日続けて「マルシェ」が開催された。
※2010年から本格始動したマルシェイベントを中心としたプロジェクト。「出会い、繋がる、広がる」をキーワードに食にまつわる活動を展開している。
BIO CREATERS
神戸市西区の有機農家グループ。地域支援型農業「CSA」の野菜の買い方を提案している
農家―Sanukifuji
さぬき富士からの豊富な伏流水を利用して香川県オリジナルブランドアスパラガス「さぬきのめざめ」を栽培。代表の横井健一さんは「シ展。」プレゼン講評にも参加した
森果樹園
淡路島の小さな果樹園。この土地固有の柑橘類「なるとオレンジ」を主に栽培
assobimotte
「アソビモッテ」は「遊びながら」という徳島地方の方言。代表の横山道雄さんは蜂蜜と四国原産のヤツマタを使う焼き菓子、干しいもを持って「FANTASTIC OPEN RADIO」に登壇して「原材料は作る人の楽しさ」と話した
Yan Yan FARM
神戸市北区二郎で減農薬にこだわりいちごを栽培。二郎いちごは濃厚な香りと甘さが特徴
大徳醤油
兵庫県養父市の小さな醤油蔵。微生物の力を借りて長期熟成させる伝統的な製法や臭みのない「魚醤」が「月刊デリシャスマガジン」で紹介された
主催者、出演者に聞きました
食から日本を考える。
NIPPON FOOD SHIFT FES.兵庫
詳しくはこちらからご覧いただけます。
https://nippon-food-shift.maff.go.jp/
ニッポンフードシフトのパートナーを
募集しています。
運動趣旨に共感いただける方であれば、
活動の有無にかかわらず、登録いただけます。
賛同いただける方は、企業、団体、個人問わず、
いずれも登録可能です。
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