6月号
親も子も “賢く”なろう |Vol.03
子どもは未来の大人。今の親が持つ価値観では生き抜けない
親も勉強していますか?
子どもは身に付けた知識を生かして知恵に変え、それが生きる力の一部になります。このサイクルに終わりはなく、大人にとっても同じことです。にもかかわらず親になった時点で、子どもにばかり勉強をさせて、自分たちは勉強することをやめてしまいます。
20年後、30年後、今の10代の小中高生が自分たちと同じ年代になるころ、私たちには想像もつかない社会になるでしょう。そんな時に、今の親の価値観がどれだけ役に立つものでしょうか。親自身も勉強して考えないと、後々子どもが困ってしまいます。
昔は親の価値観が子どもを守った。これからの時代は…
昔は今の社会とは全く様子が違いました。例えば江戸時代、士農工商の下、第一次産業が絶対的なものであり、土地を代々守りながら生きていくことを誰も疑いませんでした。この世界が大きく変わるなどという発想すらなく、自分自身、恐らく子どもたちの未来も延々と同じように続くものだと思っていたでしょう。大地の守り方、海との関り方等々、自分が持つ全ての価値観を子どもに伝えていかなくては、子孫たちが命を落とすかもしれないという時代でした。これからの時代は違います。子どもは未来の大人、今の親が自分の価値観の中に子どもを閉じ込めてしまったら、未来の社会を生き抜くことはできません。
コミュニケーションを取れる人を育て社会へ送り出す
3歳で九九ができる必要はありません。高校を卒業するときに数学や物理の成績が悪くても気にすることはない、私自身がそうでしたから(笑)。社会に迷惑をかけることなく、少しぐらいは貢献できる大人になれたと思っています。
「でも私は信念を持って子どもに勉強させています」と言われるかもしれません。「ずっと親元に置いておく」と言っても、普通は親が先に亡くなり、子どもだけになってしまいます。親御さんにできるのは、他人とコミュニケーションを取れる人を育て、未来社会へと送り出すことです。
(つづく)