4月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト: 芽映 はるかさん
(元宝塚歌劇団娘役スター)
宝塚歌劇は今年で百周年。古くは映画界に淡島千景、音羽信子、八千草薫、有馬稲子というようなスターを送り出し、現在も天海祐希などの元タカラジェンヌのスターを次々に輩出しています。今回お会いした芽映さんは神戸出身で、ダンスの上手な元娘役スター。現在は大学の講師をしていらっしゃいます。
草葉 お生まれは?
芽映 神戸市兵庫区の鵯越(ひよどりごえ)です。
草葉 あら、私も兵庫区ですよ。
芽映 そうなんですか、兵庫区里山町です。
草葉 私は菊水町です。
芽映 すごく近いですね! あのバス通りですよね? 65系統の?
草葉 そうですよ、へえー、そんな近所とは。小学校は地元の?
芽映 小学校は甲南で変わっちゃいましたが、幼稚園は『たちえ幼稚園』です。
草葉 私もたちえですよ!
芽映 本当ですか! 第一ですか、第二ですか?
草葉 第二たちえ幼稚園だったかな…坂を上ってお寺があって。
芽映 私は第一かな? でもお泊り保育でそちらも行きました(笑)。
草葉 まさか先輩後輩とは(笑)。
芽映 失礼しました(笑)。
草葉 いくつぐらいまで神戸に?
芽映 宝塚入るまでずっといまして、宝塚音楽学校も神戸の自宅から通っていました。
草葉 通学は大変だったでしょ?
芽映 そうでしたね。始発も出ない時間に家を出るので、毎朝高速神戸駅まで送ってもらっていました。
草葉 それは大変でしたね。子どもの頃の思い出となると、兵庫区周辺ですか?
芽映 自宅の裏に鵯越墓苑がありまして、そこに祖父母のお墓もありまして、あそこは思い出ありますね。
草葉 元タカラジェンヌのお母さんの影響で、やはりずっとバレエを?
芽映 家がダンススタジオだったので、三歳ぐらいから遊び感覚みたいな感じで始めました。もちろん母もバレエをやっていましたし、父もクラッシックバレエのダンサーだったので。
草葉 サラブレッドですね!
芽映 いえいえ(笑)。でも自分から必要性を感じて本気で始めたのは六年生ぐらいからですね。
草葉 神戸でよく家族で遊びに行った場所とか、思い出の店とかありますか?
芽映 学生時代は学校とレッスンの往復みたいな生活で、ほとんどそういうことがなかったんですよ。私が神戸を好きになったのは、むしろ歌劇団に入って宝塚に住むようになってからですね。色んな壁にぶち当たった時に、車を運転してハーバーランドのモザイクとかメリケンパークに行って、海を眺めるということをよくしました。きっと心を静めていたと思います。だから宝塚に行って神戸を離れてからの方が、神戸に対する思いは強いですね。
草葉 今は東京で住まいだそうですが、これからもずっと?
芽映 もう東京かなーって思っています。お世話になってるクラッシックバレエのスタジオがありまして、そこでの経験が大阪芸術大学での講師の活動などにも繋がっていますし、今はやはり東京という感じですね。ただ、もし関西に帰ることになると宝塚でも大阪でもなく神戸を選びますね。
草葉 ぜひ鵯越に(笑)
宝塚を退団して十年を過ぎても、まだまだ初々しく現役時代と変わらない芽映さん。
彼女の初舞台も観ていますが、まさか幼稚園の後輩だったとはね(笑)
芽映 はるか(めばえ はるか)
1998年「エクスカリバー」「シトラスの風」で初舞台。「エリザベート」「ベルサイユのバラ2001」「風と共に去りぬ」「ファントム」の名作に出演。愛称えり。2005年退団。母は宝塚歌劇団52期生で大阪芸術大学教授の龍悦代。現在は東京を拠点に、大阪芸術大学専任講師・クラシックバレエ講師として子供から大人まで幅広く指導。
公式ブログ http://ameblo.jp/ek1125/
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科
阪南大学国際コミュニケーション学部非常勤講師
ひょうご老舗会実行委員長