2015年
9月号
9月号
耳よりKOBE 児童文学作家・岡田淳の世界のひみつ
児童文学作家・岡田淳さんの原画や制作ノート、立体作品などを展示した「児童文学 岡田淳の世界」が、神戸文学館で開催中。
岡田さんは、もと小学校の図工の先生。絵からストーリーを想像する「お話の絵の授業」で使う教材を自分で作ってみたのがスタートで、『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)でデビューした。以降、『放課後の時間割』、『学校ウサギをつかまえろ』、野間児童文芸賞を受賞した『こそあどの森の物語』など多数の児童文学や絵本を発表している。月刊神戸っ子でも以前、岡田ワールドの洒脱なマンガ『プロフェッサーPの研究室』を20年以上にわたって連載していただいていた。現在、17出版から『プロフェッサーPの研究室』など3冊が出ている。
8月1日には「岡田淳による作品説明会」が行われ、人気作家の講演とあって、たくさんの子どもたちや大人たちが集い、立ち見が出るほどの盛況。岡田さんは自身の著作『ヤマダさんの庭』(BL出版)のストーリーに沿って、お話づくりの裏側や、友人との交流のお話を語った。「物語はそこが着地点ではない。その本を読んだ人々の心の中で広がっていくもの」と岡田さん。思い出の本『ドリトル先生航海記』(ヒュー・ロフティング)を挙げ、人間不信に陥っていたときに、この本から前向きな気持ちを受け取った子ども時代のお話も。「人生は生きるに値する、人は信頼するに値するものだ、ということを、どこかでぼくの本を読んだ方が思っていただけたら嬉しい」と話した。
展覧会は9月7日(月)まで。入場無料。
神戸文学館
(阪急「王子公園」駅から約500m)
TEL.078-882-2028