9月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト: ダルビッシュセファット ファルサさん
(ダルビッシュコート代表)
メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有投手のお父さんであるファルサさん。北野町にあるダルビッシュコートでお会いしました。
草葉 ファルサさん、お生まれは?
ダル イランのテヘラン出身です。
草葉 またどうして日本へ?
ダル 高校と大学はアメリカなのですが、フロリダの大学時代に七~八人の日本人留学生との交流があって、彼らは車が無くて僕は車がありましたから足代わりになっていました(笑) 日本人は同じアジアの国なので似ているところもありました。
草葉 たとえばどんなところがですか?
ダル 義理人情ということや、約束とか言ったことを守るとか。そして礼儀正しいところ、恥にならないことをしない、人に迷惑をかけない、そんな部分ですね。それに日本人は、お金に対してもきちんとしていました。
草葉 ワリカンにするとか?
ダル そうそう(笑)
草葉 確かに日本人はきちんとしていますね(笑)
ダル そういう全てのことが好きになり、アメリカで日本語を勉強したいと思って、大学の先生にお願いして日本語講座を作ってもらいました。
草葉 そこで日本語を勉強したのが、日本に住むきっかけですね。
ダル その大学の三年の時に日本でホームスティをして、日本中を周っているうちに、日本に住みたいと思いました。
草葉 日本がファルサさんに合ったわけですね。
ダル その時は彼女、妻ですがサポートしてくれたので色々と知ることができました。
草葉 大学を卒業されてからは?
ダル 卒業してから二年間は日本に住んで日本語を勉強しました。そしてアメリカに戻ろうと思っていましたが、あまりにも日本が住みやすかったので(笑)
草葉 神戸との関わりは?
ダル 最初は大阪に住んでいて英会話教室の仕事をしていました。子どもの頃からサッカーをしていて、アメリカでもサッカーをしていたのですが、どうしてもサッカーがしたいと思って神戸のKRAC(神戸レガッタ&アスレチッククラブ)に入りました。今から三十二年前ぐらいは入れるサッカーチームが無くて、友だちがKRACでテニスをしているので、ここに来たら?と誘ってくれました。
草葉 当時の神戸はどうでしたか?
ダル サッカーだけでなく元町に買い物とか、本当にお洒落な街で住みたいと思いました。ただ仕事が大阪で凄く広がっていたので、仕事優先ということを考えると神戸には移れませんでしたねー。
草葉 神戸はどういうところがいいですか?
ダル 神戸は凄くポテンシャルがあって、様々なカテゴリーがリッチというか深いですね。食べ物一つにしてスイーツやパンもいいですし、医療にしても。またツーリストの街ですし、交通も便利で道も渋滞がない住みやすい街ですね
草葉 大阪でなく、この北野町にミュージアムを建てたのも、やはり神戸が好きということからですね。
ダル 僕からすれば神戸しかないのですよ、サプライズでもなんでもなく。息子もKRACで遊んだりもしていましたし。神戸がスポーツの街ということをここだけでなく、神戸市や市民と一緒になって発信していきたいですね。
私もKRACの元理事ということもあって、現在はファルサさんと一緒にボールを蹴っています。神戸を愛しスポーツを愛する、とても優しい方です。
ダルビッシュセファット ファルサ
1960年生まれ。神戸・北野にて「ダルビッシュ コート」をオープン。ダルビッシュ有選手の物を集めた「スペース11 ダルビッシュ ミュージアム」を運営。
スペース11 ダルビッシュ ミュージアム
兵庫県神戸市中央区山本通1-7-16 ダルビッシュ コート 3階
10:00〜18:00 水曜日休館
大人 1,000円 高校・中学生 600円 小学生 300円
TEL.078-291-4515
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科
阪南大学国際コミュニケーション学部非常勤講師
ひょうご老舗会実行委員長