12月号
永田良介商店|ショップがリニューアル
家具から小物まで
トータルで無二の世界観を
11月6日、神戸家具の伝統を守る永田良介商店のショップがリニューアルし、148年の歴史に新たな1ページを加えた。
1階は入口が増え開放的になりより入りやすく。広くなったスペースにはホームファッションや小物雑貨など気軽に求めやすい商品が並んでいる。オリジナルのスリッパは日本人の足の形に合わせたフォルムで履きやすいだけでなく、余剰になった椅子の生地を再利用しているから擦れにくく耐久性抜群、デザインもオシャレで椅子とのお揃いというのもセンスが良い。基本的に一点物なので、一期一会のお買い物を。神戸ビーフの皮革を使った神戸レザーは海外でも注目を浴びつつあるが、全ラインナップが揃う店舗は世界でここだけだ。ギャッベは世界の2大ブランドの一つ、知る人ぞ知るファーハディアンのプレミアム感を体感できる。
2階は家具のショールームになっている。窓側はエキゾチックなヨーロッパ製壁紙やダークカラーのフローリングなど、時とともに味わいを深めた洋館のような、重厚でクラシカルな雰囲気だ。ここにはバーカウンターがあり、なんとお酒を嗜みながらゆっくり商談することも可能だ。お手洗いのドアは年季を重ねてきた扉の再利用だとか。このようなシックな空間づくりは永田良介商店が得意とするところ。
一方で奥は現代的なムードに仕上げている。神戸家具の持つ個性は、マンションなどいまのライフスタイルにもフィットすることがよくわかる。人気のハイバックチェアも、その質感やデザインが明るい色調の空間の中で良いアクセントになる。
3階はアンティーク家具の展示スペースで、選ぶ楽しさに満ちている。堅牢で実用性の高い長田良介商店の家具は一生、あるいはそれ以上の時間を経てもその価値を失わない。
新装は構想1年、いかに永田良介商店のストーリーを表現するかに心を砕いたという。そのポイントはテイストの違うフロアを繋ぐ階段。インパクトのある壁紙、古い図面やこれまでの歩みの展示など、ちょっとしたタイムトンネルのようになっている。
さまざまなシーンを描きつつ独自の世界観を体現したこの店で「インテリアをトータルで取り扱う強みを生かすだけでなく、テーブルウェアからエプロンに至るまでのコーディネート、店舗の内装など、どんどん新しい提案をしていきたいですね」と6代目店主となる永田泰資さん。
旧乾邸、旧ジェームス邸、ヨドコウ迎賓館など歴史的建築物の内装や調度品を手がけた実力と実績は伊達じゃない。神戸の地に歴史という名の根を下ろし、時代の陽光を浴びて枝葉を伸ばし続ける永田良介商店。その若葉=新たなチャレンジでもあるショップで、「おうち時間」に彩りを添えるアイテムを見つけよう。
永田良介商店
神戸市中央区三宮町3-1-4 2・3階
TEL.078-391-3737
11:00~18:00
定休日:水曜日・第1第3第5火曜日
http://www.r-nagata.co.jp