6月号
harmony(はーもにぃ) Vol.16 子どもへの虐待が増えている日本
子どもへの虐待が増え続けています。2018年度に全国の児童相談所に寄せられた虐待に関する通報や相談件数は13万件に上っています。2018年5月に東京都目黒区で5歳の女の子が「ゆるしてください。おねがいします。」とノートに両親宛に謝罪の言葉を綴りながら虐待で命を失いました。今年になってからも千葉県野田市で小学4年生の女の子が「先生たすけてください」と訴えていたにもかかわらず痛ましい虐待死をとげました。児童相談所や学校、教育委員会が関わっていながら子どもの命が救えなかったのは残念で仕方ありません。
虐待には子どもに暴力を振るい、苦痛や恐怖を与える「身体的虐待」、食事を与えない、病気になっても医者に診せない、不衛生なまま放っておく「ネグレクト」、大人から性的行為を強いられたりポルノビデオを見せられたりする「性的虐待」、言葉で子どもの気持ちを踏みにじったり、尊厳を傷つける「心理的虐待」がありますが、これらは単一でなく、いくつも重なって生じる事が多いようです。例えば身体的虐待を受けている子どもは言葉の暴力とも言うべき心理的虐待も受けているからです。
以前に、アメリカのソーシャルワーカーから聞いたのですが、彼女が言うには「虐待とは、親としてするべき事をしないこと、そして、親としてしてはならないことをすること」だそうです。日本の定義に当てはめれば「親としてするべき事をしない」はネグレクトで、「親として、してはならないことをする」は身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、になります。アメリカの考え方の方が、子どもの権利を侵害し人間としての尊厳や誇りを傷つけることが虐待ととらえられますので、わかりやすいように感じます。日本では急激に増加している虐待が、アメリカでは2000年代に入って減少しているといわれています。次号でそのことを考えてみます。
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