5月号
スーパーストリングスコーベ サマーコンサート2019ー若き友絆、奇跡の再会ー
2017年、神戸開港150年という年に満を持して活躍をスタートした「スーパーストリングスコーベ」。ヨーロッパ各国、そして日本など世界中で活躍するメンバーたちが一同に会し、「サマーコンサート2019―若き友絆 奇跡の再会―」 が8月15日、16日の2夜にわたり開催される。
これまでの道のり
渡辺 真二
早駒運輸株式会社 代表取締役社長
世界的指揮者、佐渡裕と彼が率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」とのご縁は2012年から始まった。そのご縁は、弊社が2010年から掲げた神戸港に活性を取り戻そうと「KOBE PORT RENAISSANCE」というスローガンの元、神戸経済界を巻き込み、新たな息吹を神戸に吹き込んだ。2015年よりスーパーキッズ・オーケストラの「東北こころのビタミンプロジェクト」の公式Tシャツに弊社のboh boh Tシャツが選ばれ、2017年の神戸開港150年へと繋がる。
神戸シーバス・ファンタジー号での神戸開港150年を記念したカウントダウンクルーズにSKOのOBチームで演奏をしたことが、その場にいた皆様の感動を得て、「スーパーストリングスコーベ」が結成する。こうして神戸開港150年という記念すべき年に5月の全日本広告連盟オープニング式典、8月の海フェスタ開会式など、主要な場で演奏を重ね、神戸経済界の名だたる皆様のご協賛も多数得て、2017年12月27日第1回定期公演を700席完売として成功を収める。その後その機運は尚も高まり、2018年夏にサマーコンサート、2018年第2回定期公演も含めて、これまで3回のコンサートが全て満席の盛況に終わる。その由は彼ら未知・未完の逸材の演奏に神戸経済界が驚愕し、感動し、そして数々のスポンサーとしてご支援頂いた賜物である。
新たなる挑戦を越えて
池田 明子
HKMエンタープライズ㈱音楽プロデューサー
メンバーは、スーパーキッズ・オーケストラで青春時代を過ごし、主宰の指揮者・佐渡裕やオーケストラの仲間たちと、かけがえのない音楽体験をしてきた。そこでの経験がほかのオーケストラと一線を画す魅力や音楽表現、一体感へつながっている。
「スーパーストリングスコーベ」は、一人一人がソリストである。第1回定期公演では、ウィーンで活躍するヴァイオリニスト立上舞(2007年度SKO卒)のソロによるチャイコフスキー バイオリン協奏曲ニ長調作品35を披露。そして2018年のサマーコンサートでは四季をテーマに、弦楽合奏の魅力を余すことなく伝えるプログラムから、後半ではスペシャルゲストが登場。至福のコラボレーションで会場全体が夢のような一夜となった。
第2回定期公演では、現在パリで研鑽を積むチェリスト櫃本瑠音(2011年度SKO卒・日本音楽コンクール聴衆賞受賞)のソロによるドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調作品104を披露。数あるチェロ協奏曲の中でも、技術的、内面的にも超絶といわれるこの作品に満を持して挑戦、圧巻のソロを聴かせる。
後半のメインプログラムは、ロシアの作曲家ムソルグスキーの代表作、「展覧会の絵」弦楽合奏版(池田明子編曲)である。この曲は、ピアノ版が原曲となるが、フランスの作曲家ラヴェルが色彩豊かな管弦楽編曲を施したことで一躍有名になった。弦楽器のみの演奏は非常に大きなチャレンジだったが、原曲版のもつ無骨で芯の通った強さと、弦五部によるきめ細やかな描写、ダイナミックレンジを活かした編曲により、力強くも説得力のある演奏で、会場は大きな感動に包まれた。また、この大曲に指揮者なしで取り組んだことも財産となった。
「サマーコンサート2019」は今年、日本・ポーランド国交樹立100周年を記念した展覧会とのタイアップ企画として催される。8月15日は第1夜として「スーパーストリングスコーベ」の夏の祭典を開催。ショパン作曲バラード第1番オーケストラバージョンを始め、同時代の作曲家の作品などを弦楽器でお届けする。8月16日の第2夜はより深くショパン像に迫る。全曲ショパンプログラムで、ショパン研究家・多田純一氏の解説付き。両日演奏されるピアノ協奏曲第1番は、SKO時代に共演し今も交流が続いている、中国人ピアニスト・ニュウニュウとの奇跡の再会、共演となる。神戸での熱狂的2夜を是非お聴き逃がしなく。