9月号
~ウエディングサロン イノウエ 神戸元町本店オープンから20年~ 新しいウエディングの文化を ファッション都市・神戸から創り出したい
震災を機に元町へ進出
元町商店街から多くの「世界一の花嫁さん」を創りだしてきた『ウエディングサロン イノウエ』が今年6月、20周年を迎えた。1995年の阪神淡路大震災で、貸衣裳業を営んでいた神戸市長田区の旧店舗が全壊。同年6月より元町に進出し、ドレス専門ショップとして新スタート。以来20年にわたり、“ファッション都市・神戸での結婚式”を、ウエディングドレスで後押ししてきた井上芳昌社長に、これまでの歴史とこれからの展望を伺った。
「全壊した長田区で建て替えという案も出ていたのですが、当時レストランウエディングが注目され始めていたこともあり、ホテルのように衣裳室を持たない会場で式を挙げられる方にも来店いただきやすいよう、アクセスのいい元町への進出を決意しました。同時に貸衣裳店からドレス専門ショップへと業態を変更、ファッションに敏感な神戸の花嫁さんからのご要望を受け、関西初でインポートドレスの取扱を開始しました」。
結婚式を挙げない時代
長田店時代からその洗練のセンスとコーディネート力には定評があった。社長自らどこよりも早くイギリス・ハロゲートへ赴き、シルクドレスを輸入。その後も神戸で唯一、桂由美ブランドを本格的に扱ったり、2010年の店舗の全面改装を機にミラノに加え、ローマやNYでの買い付けを開始したり。2011年にはJR大阪駅前に大阪梅田本店を開業、2013年から生田神社の衣裳室にも携わるなど、元町本店を核に順調にビジネスの拡大を行ってきた。
「少子化、さらには半分以上のカップルが結婚式を挙げないという時代の流れを受け、いかに神戸で結婚式を挙げたいと思っていただけるかが勝負の鍵となっています。神戸の魅力を活かし、街とウエディングの一体化で相乗効果を図るべき時が来ている。街なかでの結婚式を例にあげると、他都市にもレストランやハウスウエディングにふさわしい店はたくさんあります。しかし神戸のウエディングは他都市と異なる特徴があると思います」。
神戸という街の特性を活かす
何が違うのか。神戸は結婚式が宴会にならず、パーティとして実現できること。街の雰囲気や街の人々、洗練の祝福…。ブーケトスやケーキの食べさせあいなど、欧米の結婚パーティの演出が早くから定着したハイカラ神戸の魅力を再発信する、街全体の取り組みが今後の活性化になると分析する。式をあげないカップルをも見据えた今までと違うマーケットへの挑戦。ウエディングを神戸観光、さらにはカップルたちの新生活の基盤となるよう展開していきたいのだと。
「神戸は西洋文化がいち早く入り、洋風化がどこよりも進んでいる街です。街の特性を活かし、神戸でプロポーズして、神戸で式を挙げ、神戸に住みたいと全国から来てもらえるようになれば嬉しいですね」。
同店では、ウエディングドレスや式場紹介はもちろん、婚活パーティやプロポーズプランなど、結婚式の前段階の相談にも注力。彼がプロポーズ時に着る勝負タキシードの無料レンタルなど、恋が成功する応援も抜かりない。
世界一のウエディングの街へ
神戸のブライダルをもっと盛り上げたいとの想いから、地元企業との積極的な連携を展開。MAXIM、大月真珠など、神戸の代表企業と協力し、神戸ならではのウエディング『MADE IN KOBE』を情報発信する。
また今年から日本製ドレスの取扱いを強化するのも新しい試み。花嫁さんの気持ちや体型に精通する日本人デザイナーと日本人の丁寧な職人技で完成させるオリジナルコレクション。国内外の多くのドレスを扱い、花嫁さんの声を聞いてきた同店だからこそ出来たジャパンプレミアムドレスだ。
「創業時からお客様の声を何より大切にしてきました。これからも“お客様のために”を第一に、新しいウエディング文化が神戸から生まれるよう邁進していきたいと思います。神戸は文明を文化にできる街なのですから」。
最強のウエディングの街、神戸。世界一の花嫁さんを創ってきたイノウエが、神戸を世界一のウエディングの街とするために力を発揮してくれることだろう。
井上 芳昌 さん
ウエディングサロン イノウエ
代表取締役社長
ウエディングサロン イノウエ
TEL.078-392-2030 要予約
神戸市中央区元町通1-8-4
平 日11:00~19:00
土日祝10:00~20:00
http://www.ws-i.jp