9月号
追悼 画聖よ、安らかに… 中西勝画伯お別れの会 ~みんなで仲良く集う会〜
去る7月6日に生田神社会館にて、5月22日に逝去した画家、故中西勝氏のお別れ会「中西勝画伯お別れの会~みんなで仲良く集う会」が開催された。
車で地球を一周するという壮大な旅に出て、旅先で出会った人たちを描き、「大地の聖母子」で絵画の芥川賞と呼ばれる安井賞を受賞するなど、神戸画壇の重鎮として活躍し、芸術のみならず文化の振興にも尽力した中西氏。温もりのある人柄で、多くの人たちから慕われてきたが、この日も約330名が集った。また、当日は生田神社会館の随所に中西作品が飾られ、献花もおこなわれた。
中西宅での歓迎の際に使われていた銅鑼の音がとどろき、三条杜夫さんの司会で会はスタート。発起人代表の木村重信兵庫県立美術館名誉館長のほか、井戸敏三兵庫県知事、藪野健二紀会副理事長、松本龍元環境大臣も挨拶し、玉田敏郎神戸市副市長は中西氏の趣味のひとつであった回文を自作し、披露した。
株式会社ノザワ最高顧問の野澤太一郎氏の発声による献杯の後は、みんな仲良く賑やかにという中西氏の遺志のもとピアノや踊り、元ちゃらんぽらんの大西幸仁さんの漫談、神戸二紀チンガラ劇団の演劇などのアトラクションがおこなわれ、特に中西氏を人生の恩人と崇める歌手の佐川満男さんのショーでは中西氏の弟の曽孫がステージに登場、かわいらしい仕草で会場を爆笑と歓喜に包んだ。
また、小磯記念美術館の学芸員で中西勝研究の第一人者、廣田生馬さんによるプレゼンテーションでは、中西氏の作品と人生を回顧。故人を偲んだ。
最後には中西勝氏の妻で世界一周の旅でハンドルを握った人生の伴侶、中西さく子さんへ、神戸二紀の女性会員より花束が贈呈され、中西氏の義子、粂川穣氏が挨拶。閉会の辞では加藤隆久生田神社名誉宮司が和歌を交えて中西氏の冥福を祈った。
中西作品は兵庫県や神戸市に寄贈されており、今後もその味わいのある絵画は生き続ける。