02.27
WEB版・スペシャルインタビュー|『ライブへ込めた熱い思い…一期一会に懸ける覚悟』
荻野目洋子さん
「ライブの魅力? 今、私が一番やりがいを感じているのがライブ。聴いてくれる皆さんが、私の歌をどう受け止めてくれているかを目の当たりにすることができる唯一の場…それがライブです」と荻野目洋子が熱く語る最新ライブ「Yoko Oginome☆Spring Fes! 2026」が、3月6日、大阪・難波の「なんばHatch」で、4月4日、東京・日本橋三井ホールで開催される。「ライブは一期一会。さまざまな要素を詰め込んだ〝今の荻野目洋子〟の魅力を楽しんでもらえれば」と意欲を見せる。
■ライブごとで違うセットリスト
昨年末にクリスマス・ツアーを終えたばかり。
そして、今年のライブツアーが始まった。
来阪した荻野目に、来月開催予定の〝気になる大阪公演〟のセットリスト(全曲目)について質問すると、ライブに込めた、こんな強いこだわりを教えてくれた。
「私はライブごとにセットリストを変えているんです。歌う場所、聞いてくれる人の客層などを想像しながら。どんな曲を、どんなアレンジで歌えば一番喜んでくれるのか…。だから、セットリストはすべてライブごとで変えています。今回もライブ直前まで考えて決めるつもりですよ」と。
最も力を入れて活動しているのがライブ―そう答えるアーティストとしての覚悟が、インタビュー中も、熱い言葉からあふれ出た。
アイドルとして一世を風靡した大ヒット曲「ダンシング・ヒーロー」を引っ提げて日本のミュージックシーンに颯爽と踊り出てきたのは今から41年前の1985年…。
「デビューから7曲目でした。それまでの6曲がトップ10にチャートインしていなかったので、事務所やレコード会社などと考え抜いて選んだのが、この曲だったんです」
1984年に歌手としてソロデビューし、約1年半が過ぎていた。
「レコーディングしたとき。私はまだ16歳だったんですよ。今、聞くと、まだ子供の声ですよね」
こう謙虚に振り返るが、一度聴いたら耳から離れない、この大ヒットナンバーは、今、聴いても新鮮だ。
鮮烈な曲のイントロで荻野目が披露した躍動感あふれる個性的なステップは、実は荻野目本人のアイデアから生まれた振り付けだったのだという。
「振り付けの先生(三浦亨)に、イントロのステップで、私はこう踊りたいです、と申し出たのがこのステップ。希望通り採用してもらえてよかった」と振り返る。
ユーロビートに、透き通った高音の歌声を響かせた力強い荻野目の歌唱とキレのあるダンスは、その後、新時代の〝ニュー・アイドル〟の誕生を宣言するようだった。
■楽器演奏へのこだわり
2026年の今年、歌手デビューから42年前を迎えた。
近年、力を入れているのが、ギターやウクレレなど楽器の演奏だ。
「中学一年のころに姉たちの影響で好きになったのがビートルズ。初めて行ったコンサートは、ビリー・ジョエルの日本武道館公演なんです」と説明したうえで、「だから、私はアイドルに憧れていたのではなく、実はアイドルを目指したことがないんです。幼いころからミュージシャンになりたかったんだ、と最近、気が付いたんです」と明かす。
今、楽器演奏に精力的に取り組み続けていることには、こんな幼いころから一貫した音楽と取り組む姿勢が根底に流れているのだ。
「子育てがいったん落ち着いたので、自分の時間と向き合うために楽器演奏の練習を再開したのですが、実はもう一つ、理由があります」
その〝もう一つのモチベーション〟は、 「東日本大震災(2011年)なんです」と語る。
「地震の後、被災地の人たちを励ますために、何人ものミュージシャンたちが現地へ駆けつけました。それを見ていて、私も楽器演奏で被災した人たちを励まし、勇気づけることができたら…。そう強く思ったんです」
「歌うことではなく?」と問うと、「もちろん歌も大事ですが、楽器が奏でる優しい音色は人の心を癒し、穏やかにさせてくれるから…。その思いが、今もずっと楽器演奏に力を入れているモチベーションになっているんです」と語気を強めた。
■深まるウクレレ愛
このたゆまぬ日々の練習で上達したウクレレ演奏を、数年前から動画配信などで披露しているが、突然、人気バンド「サザン・オールスターズ」のベーシスト、関口和之から、こんな連絡が来た。
「一緒にウクレレバンドを組みませんか」と。断る理由はなかった。
数年前から、関口や高木ブー、野村義男らウクレレを愛するミュージシャンとともにウクレレバンドを組み、ライブを披露している。
「今年の夏もハワイで公演する予定です。バンド活動の日程や曲目など関口さんからの連絡は、いつも急で、突然、来るんですよ」と笑った。
作詞・作曲活動にも力を入れ、今も新曲を制作中だと教えてくれた。
3月6日の大阪公演でも、そんな自作曲や、ギター、ウクレレ演奏などを披露する予定だ。もちろん、「ダンシング・ヒーロー」をはじめアイドル全盛期のヒット曲も歌って踊る…。
ずっと、変わらない体形、そしてキレのあるダンスを歌って踊れる〝秘訣〟とは?
「とくに意識して体を鍛えているわけではないですが、水泳や自転車、縄跳びなど体を動かすことが好きで、ずっと続けています。体重はずっと変わっていないんですよ」
充実した快活な笑顔に〝永遠のアイドル〟の〝秘密〟が垣間見えた。
文・戸津井康之
写真・鈴木厚志













