9月号
高山荘華野 新客室|銀泉と北欧サウナ(水風呂付)を楽しむぜいたく高山荘華野の新客室「山法師」
充実の空間で快適さを追求
天下の名湯とアートが心を癒やす大人の隠れ宿、高山荘華野に新しい銀泉付のお部屋がデビューした。その名は「山法師」。初夏の森に映える純白の花のように楚々として爽やかなトーンでまとめられ、華やかさよりも清らかさが際立つ、これまでありそうでなかった客室になっている。
印象深いのは浴室だ。十和田石と黒御影の浴槽になみなみと注がれる銀泉の心地よさは言うまでもないが、それをサウナとともにプライベートに愉しめるのが素晴らしい。本場、フィンランドから直輸入したAuroomのサウナキャビンは、コントロールパネルで80℃から95℃までスマホ感覚で温度調節が可能なばかりか、なんとロウリュまでOKの優れもの。しかもさすがは北欧、見た目も洒落ていて、2人入っても余裕がある広さ。火照った体は、白神山地のヒバ材を組んだバスタブに満たされた冷水で締めよう。ドイツの世界的ブランド、グローエのオーバーヘッドシャワーも気持ちよく汗を流してくれる。さらに半屋外のインナーテラスは、タイル敷きなのでひんやりとして気持ちが良い。
このテラスが快適でユニークだ。3階なので視界が開け、建物自体も高台に位置しているので、窓からは仰げば有馬中興の祖、仁西上人がここから枯れ葉を投げて埋もれた泉源を探し当てたという落葉山、見下ろせば太閤秀吉も愛した有馬の中心街を望むことができる。この開放感を味わいながら、カッシーナの個性的なソファに身を委ねるもよし、併設のミニバーで注いだフリードリンクをいただくもよし。しかもベッドルームとの仕切りを全開にするとスペースが一体化、広い部屋をさらに広く使うことができ、寛ぎ方の選択肢も増える。
白壁のベッドルームは素足で歩いても心地良いナラ材のフローリングに、快眠にこだわったシモンズのセミダブルベッドが2台。折り上げ天井と落ち着いた照明が深い眠りに誘う。そしてここには高速ネット回線に接続する55インチテレビもご用意。アカウントさえ用意すればNetflixやU-NEXTなど動画配信も見放題だ。デュアルウーハーと4つのスピーカーを備えたサウンドバーが音に立体感を与え、映画もライブもスポーツも臨場感いっぱい。湯ごもりしながらムービー三昧の休日も一興だ。
また、ベッドルームと繋がる3畳ほどの畳敷きの小部屋があり、戸を開けてお茶の間的に憩うもよし、仕切ってテレワークに集中するもよし、布団を敷けば寝室を分けることもできるなど、TPOに合わせフレキシブルに。
客室入口には、ヴェネツィア出身ながら京都で活躍している若きアーティスト、アンジュ・ミケーレの作品がさり気なく飾られ、客人を出迎えてくれる。その向かいにはウォークインクロゼットを設け、特にバゲージが多くなりがちな人の長期滞在に配慮。荷物をここにまとめておけば客間の空間のゆとりも増す。
パウダールームには世界三大陶磁器メーカーの一つ、ビレロイ&ボッホのボウルをダブルで設置。大きな鏡、そしてこだわりのアメニティも備え、お出かけ前の身支度も楽しみながら。
今回、プランを練り上げたのは、次の時代の高山荘華野を担う3代目駿川裕司さん。「導入したかったこだわりの設備をすべて織り込みました」と盛りだくさんの構想を実現しているが、若い感覚と現代的な感性が成せる業か、雑然とした感じがなく、むしろ機能美が煌めくゲストルームに仕上がっている。従来の和風旅館の型にとらわれず、とことん快適性を追求し、その結果、温泉宿の非日常感の中にもわが家のような寛ぎがあり、何よりも気ままに過ごせる自由さを感じさるのが嬉しい。そして、言うまでもないが、館内の花とアートは絶品である。
ぜひこの「山法師」で、時を忘れたステイを、あなたらしいスタイルで。
有馬温泉 高山荘 華野
兵庫県神戸市北区有馬町400-1
TEL.078-904-0744(お受付時間9:00~21:00)
https://www.arima-hanano.com/