3月号

対談企画 治療と美容で「髪のコンプレックス」をなくす〜医師と美容師が創造する これからのヘアーストーリー〜|丁秀鎮(THE WELLNESS CLINIC院長)×アレックス ヤン(アル・クリエーションズ(株)CEO)
インタビュー・文 岡力/編集 中西若菜
出会いは海の上!?
アレックス ヤン(以下 アレックス)
丁さんとは今から18年前、私の趣味であるヨットで出会ったのが初めでした。彼が私達の隣の船にゲストで乗っていたのをきっかけに交流が始まりました。医師でありながら、ファッションやおしゃれについてすごく興味を持っているのが印象的でしたね。
丁秀鎮(以下 丁)
こんな素敵な60代がいることに驚きました。当時から新しいことに挑戦されており、僕の人生観がガラリと変わったのを覚えています。また「誰に対しても同じ目線、態度で接する」というコミュニケーション術も船上で教わりました。
お二人が思う街の魅力とは?
丁
私は島根県出身で、25歳の時に内科の研修医として初めて神戸へ来ました。山も海もあって、歩く範囲に全てが揃っている。中でも街並みが魅力的な旧居留地に心を奪われました。日本全国どこに行ってもこの景色はここだけだと思います。そんな憧れの地で自分のクリニックを構えたいという夢と目標を持ち、2019年に実現しました。
アレックス
私は神戸の北野町生まれなので、子供の頃から外国人の友達と自然に遊んでいましたし、それが普通でした。今振り返ると多様性に寛容な街でしたね。「神戸」という一つのコスモポリタンみたいな感じですね。異国の地でも対応できるグローバルな考え方は、20代に多人種の共存しているNYで暮らした経験とここ神戸で生まれ育ったからだと思います。
クリニック開院の経緯
丁
夢と言えば…アレックスさんにヘアカットもしていただきました。当時は薄毛を隠すために長髪だったのですが、迷いなく短髪にカットしていただき、ヘアスタイルによってコンプレックス解消だけでなく自分らしさもより出すことができるんだ、と、美容・理容の大切さを改めて感じました。
僕は若い頃から薄毛に悩んでおり、育毛効果があると言われていたサプリやシャンプーなど、当時流行っているものは大体使用しました。しかし、40歳を過ぎた頃から薄毛が加速度的に進行してきたため、医療の力に頼ることを決意、様々な治療法を実際自分で試して薄毛のストレスを解消することができ、50歳となった現在も維持できております。その経験も活かして、同じように髪で悩んでいる方々のために、髪のお悩み専門のクリニックとしてやっていきたいなと思うようになりました。
アレックス
私たちも様々なお客様の悩みに合わせてヘアスタイルを提案しますが、髪のお悩みの中にはヘア技術だけでは解決できない領域があります。医療域内部門は信頼関係のあるお客様には丁さんのクリニックを紹介させて頂いております。
髪は若さのバロメーター
丁
患者様は薄毛でお悩みの40代から70代ぐらいの男性が一番多いです。髪って若さのバロメーターでもあるので治療によって髪の悩みが解消すると皆さんすごく元気になられます。仕事に対しても前向きになり、ご家族も喜んでいるという声をいただきます。髪は心の豊かさに繋がっていると感じています。
アレックス
それはありますよね。僕が思うに髪の毛が少ない人は少ないなりのヘアスタイルがあり、最終的にその人のライフスタイルなりどういう表現をしたいか、本人のコンセプトが重要だと思っています。
THE WELLNESS CLINICの治療とは
丁
基本的に男性の場合は内服治療がメインになります。発毛に対して効果があることが実証されている、品質が非常に高い薬、サプリメントで治療させていただいております(私自身も、私の父も内服しております)。但し、効果には個人差がありますので様々な患者様を診てきた知見から「このぐらいまでは戻りますが、ここの部位は難しいかもです」とはっきりとお伝えするようにしています。患者さんにはきちんとした診察と説明を行い、納得した上で治療を始めていただくことを重視しています。まずは相談だけでもお越しください。
頭皮アートメイクについて
丁
頭皮アートメイクは、頭皮の浅い層に頭皮専用の色素で毛穴のような点(ドット)を描いていくものを指します。生え際や分け目、つむじなど、部分的な薄さが気になっておられる女性の患者様にアートメイクを勧めています。髪が薄い部分に色素を入れると、見た目の透け感が解消されます。ただ、髪の毛が生えてくるわけではないので、見た目の悩みを解決するという治療ですね。もちろん男性の方の内服治療との併用も可能です。
アレックス
私達はあくまでファッションとして、今はこういうヘアが流行っているよと提案する形ですが、医療はアートメイクを含めてこれからどんどん発展していくだろうな。価格も医療としてもこういう動きがあると意見交換することで、お互いが現場でより良い提案ができると思います。
今後の神戸について一言
丁
ローズガーデン辺りの歴史ある建物は残してほしいですね。若いアーティストさんたちが来て、何か賑わうようなイベントなどあればいいな。
アレックス
私は基本、近代的な新しいものづくりよりもリノベーションが好きなので古いものを大事にしながら新しいものをつくりあげてほしいですね。神戸の「温故知新」を大切にしてほしいです。

丁秀鎮(ていしゅうちん)(髪のお悩み専門 THE WELLNESS CLINIC院長)
1999年、島根大学医学部卒業、第二内科入局。島根大学医学部大学院入学、熊本大学発生医学研究所国内留学、学位取得。消化器内科医師として病院勤務を経て2019年9月に旧居留地で『髪のお悩み専門 THE WELLNESS CLINIC』を開院。
丁さんへ
理想に向かってチャレンジし、失敗してもいいから好きにやっていただきたい。
ただ、自分が本来持っているベースは絶対に捨てないでね、かな(笑)。

アレックス ヤン(アル・クリエーションズ(株)CEO)
神戸生まれ。美容経験3年後に渡米、NYの有名ヘアサロンでチーフスタイリストとして活躍。帰国後、アレックスを創設。様々なスクラップ&ビルドを繰り返し現在、国内のみならずNY、台湾にも出店。ヘア・スタイリストとしてだけではなく空間プロデューサーとしてグローバルに活躍中。
アレックスさんへ
もう77歳にもなられるので健康にはくれぐれも気をつけてください。
まあ…こんなに元気な77歳は見たことないですけど(笑)。

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