2025年
1月号
(一社)兵庫県洋菓子協会副会長の栗原栄德氏(パティスリークリ・前列中央)と、審査員の皆さん。 前列左から「カスカード」入江敏功氏、「レコルト」松尾裕生氏、「サ・マーシュ」西川功晃氏、 「パティスリーモンプリュ」林周平氏。後列左から「ブーランジェリークスパン」楠田法久氏、 「ラ・ピエール・ブランシュ」白岩忠志氏、「ル ビアン」ル ビアン・ミッシェル氏、「AKITO」田中哲人氏、 「ビゴの店」ビゴ・ジャンポール・タロウ氏、「本髙砂屋」髙杉良和氏、 「イスズベーカリー」井筒大輔氏

「第5回神戸ガレット・デ・ロワ コンテスト」入賞者決定。 1月10日(金)から神戸阪急でイベントも!!

カテゴリ:スイーツ・パン, , 神戸

新年を祝うフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」をご存じですか。小さな陶器の人形(フェーブ)が入っているパイで、切り分けて人形を引き当てた人は一年を幸せに過ごせるとか。スイーツ王国・神戸でもこの楽しいグルメに注目。「洋菓子」や「パン」の振興事業として、若手パティシエやブーランジェの育成と、「洋菓子のまち・神戸」「パンのまち・神戸」をPRするべく、『神戸ガレット・デ・ロワ コンテスト』を開催している。
今号では、様々な意見が飛び交った審査会の模様をお届けする。


ガレット・デ・ロワ、
クーロンヌ・デ・ロワとは?

フランスで1月6日に行われるキリスト教の「公現祭」を祝う伝統菓子。パイ生地のガレット・デ・ロワ、ブリオッシュ生地のクーロンヌ・デ・ロワ共に、家族や友人が集い、切り分けて楽しむ。


神戸ガレット・デ・ロワ コンテストは、2021年から(一社)兵庫県洋菓子協会と(公財)神戸ファッション協会が実施。「みんなのガレット博覧会」と題して、コンテストと神戸の菓子店による商品の販売などを行うイベントを毎年1月に開催し、知名度を上げてきた。2022年からはパイ生地の「ガレット・デ・ロワ」に加え、ブリオッシュ生地の「クーロンヌ・デ・ロワ」も加わり、神戸に根付いた洋菓子やパンの歴史や文化を内外へPR、神戸地域での普及啓発を図っている。
第5回の今年度は、従来の審査と展示販売の同日開催を改め、コンテストは11月、表彰式と一般向けの展示販売は1月と時期をずらすことで、時間をかけて審査できるように。(一社)兵庫県洋菓子協会副会長の栗原栄德氏は「洋菓子やパンの振興事業として、文化+ビジネスの活性化が必要。入賞者を予め周知することで、兵庫・神戸ならではのイベントをさらに盛り上げたい」と語った。
コンテストは11月13日、県内の有名パティシエやブーランジェ11名が集い、兵庫県洋菓子協会で選考が行われた。審査員は味・見た目・焼き込みを中心に点数をつけ、平均点の高さで順位を決めた。審査票には各審査員のコメントを書き込む欄を設け、選手が審査員からアドバイスを得られるようになったのも今回初の試みだ。
約2時間の集中審査を経て、受賞作品が決定。作品のレベルは年々向上。特に甘味だけでなくサレ(塩味)が新登場したクーロンヌ・デ・ロワ部門を、栗原氏は「過去最高の出来」と絶賛。ビゴ氏は「甘味が贅沢とされた昔と違い今は飽食の時代。ヨーロッパにはない塩味がユニーク」とし、西川氏は「ガレットは食後のデザート、サレは前菜として日本独自の食文化を提案できる。今回はフレンチの料理人にも参加してもらい、新たな世界観を創造できた。次は中華の料理人にも声掛けするなど挑戦の場を拡げ、需要喚起に繋げていきたい」と抱負を語った。
審査員を代表して林氏は美味しさの基準は個々で考えが違うため、大人数で審査をして平均点で順位を決めるのは公正を期していると思うと述べたうえで「フランスとは材料も異なり、製作が難しい日本で、パティシエもブーランジェも年々レベルがアップし、作品のバラつきがなくなってきている。レイエ(柄・模様)も綺麗で、美味しいものがベストではあるが、シンプルで作りやすいという視点も大切」と審査講評を述べた。
審査終了後、意見交換会も。ビゴ氏は「ガレットはアーモンドクリームの量が多い。フランスのシンプルな仕様から外れているのが残念」とコメント。他の審査員からも今後のコンテストとしての基準について多様な意見が出た。また審査員の指摘は選手にとってこれからの目標になる。本人と対面の場を設けてもいいのではという提案もあった。選手のコメントも発表すれば、審査員の採点にも整合性がでてくるとの指摘も。高杉氏は「若い人に関心を持ってもらえる基準を設定することで文化が広まる」とコメント。西川氏も賛同し、「ヨーロッパから技術を学び、正しい形で神戸に根付かせてきた先輩達がいて、自分達はその文化を引き継いできた。さらに一つ先に進むために、若い人に積極的に挑戦してもらい、日本の新しい食文化を創り出していく。今日はそんな未来を感じることができた」と語った。
未来への責任と希望を抱き、作品をチェックする審査員の想いが、神戸の食文化を豊かにしていく。そう確信できた内容の濃いコンテストであった。

(一社)兵庫県洋菓子協会副会長の栗原栄德氏(パティスリークリ・前列中央)と、審査員の皆さん。
前列左から「カスカード」入江敏功氏、「レコルト」松尾裕生氏、「サ・マーシュ」西川功晃氏、
「パティスリーモンプリュ」林周平氏。後列左から「ブーランジェリークスパン」楠田法久氏、
「ラ・ピエール・ブランシュ」白岩忠志氏、「ル ビアン」ル ビアン・ミッシェル氏、「AKITO」田中哲人氏、
「ビゴの店」ビゴ・ジャンポール・タロウ氏、「本髙砂屋」髙杉良和氏、
「イスズベーカリー」井筒大輔氏

生地の出来が問われる「クーロンヌ・デ・ロワ」

第5回のコンテストには、ガレット・デ・ロワ部門には17名、クーロンヌ・デ・ロワ部門には6名が応募

一つ一つ試食して審査

技術、味覚、視覚を確認

(一社)兵庫県洋菓子協会副会長の栗原栄德氏

「サ・マーシュ」西川功晃氏

「モンプリュ」林 周平氏


入賞者はこちらの作品

ガレット・デ・ロワ部門

クーロンヌ・デ・ロワ部門

ガレット・デ・ロワ部門1位は「パティスリー リッチフィールド」勝岡麻衣さん、2位「ホテルオークラ神戸」宮地航一朗さん、3位「神戸洋藝菓子ボックサン」松下祐己さん。クーロンヌ・デ・ロワ部門1位は「イスズベーカリー」立脇秀俊さん、2位「㈱Matsushima(キュイジーヌ フランコ ジャポネーズ マツシマ)」松島朋宣さん


みんなのガレット博覧会
2025神戸ガレット・デ・ロワ

コンテスト入賞者の表彰式と地元洋菓子店が手掛けるガレット・デ・ロワの展示販売や関連イベント

期間 : 1/10(金)~13(月・祝)
会場 : 神戸阪急百貨店 本館9階催場

詳細はこちらから
https://kfo.or.jp/kobegalettedesrois/


2025神戸ガレット・デ・ロワ
デジタルスタンプラリー

対象店舗で「ガレット・デ・ロワ」または「クーロンヌ・デ・ロワ」を購入してスタンプを集めると、豪華景品が当たる抽選に参加できる!

期間:12/27(金)~1/31(金)応募締切

参加店舗や参加方法など詳細はこちらから
https://www.stamprally.net/kobegalette2025

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

  • 電気で駆けぬける、クーペ・スタイルのSUW|Kobe BMW
  • フランク・ロイド・ライトの建築思想を現代の住まいに|ORGANIC HOUSE