2023年
6月号
6月号
〝兵庫・神戸のヒストリアン〟田辺眞人先生と開く歴史の扉|
兵庫津ミュージアム名誉館長文化サロン
4月22日、兵庫県立兵庫津ミュージアムで名誉館長文化サロンが開催された。これは名誉館長の田辺眞人先生が毎月第4土曜日にプロデュースする兵庫ゆかりの歴史サロンで、偶数月にはゲストも登場。各期6回(第1期はプレイベント含め7回)のプログラムで、第1期・第1回のこの日は「源氏の発展と川西市多田庄」がテーマ。
まずはトピックスとして、この日が初日の企画展「日本遺産 銀の馬車道 鉱石の道」について担当学芸員の曽根祐規さんがその概要と魅力を紹介した。
続いて田辺先生が登壇、「源満仲と摂津多田庄」と題し、武士の起源から源氏のおこり、そして発展までわかりやすく解説。清和天皇の孫、経基王が源氏を名乗り源経基となり、その嫡男の満仲が現在の川西市多田に拠点を置いたことで経済的・政治的に力を付け、以降、源氏は発展していったことから、多田の歴史的意義の重要性を説いた。
次にゲストの旭堂南海先生が丁々発止の講談を披露。満仲が住吉大社から3本の矢を放って落ちたところが多田で、その伝説が三ツ矢サイダーのルーツになっているというお話にあちこちで頷く人も。また、多田神社創建にまつわる美女丸・幸寿丸の逸話を緊迫感のあるストーリーに仕立てリアルに語った。
最後は田辺先生、南海先生、笠井敏光館長の鼎談。笠井館長は羽曳野で勤務していたことがあるそうで、満仲の三男、頼信が祖で頼朝に繋がる河内源氏の本拠地、羽曳野市壷井があまり知られていないことが話題に。ほかにも満仲の長男、頼光と「金太郎」坂田金時の鬼退治伝説や、大河ドラマ「どうする家康」についてなど、多彩なエピソードで盛り上がった。
第1期の名誉館長サロンは予約開始からわずか2日で満員御礼、好評につき第2期も第1期と同じプログラムで開催予定だ。詳細は兵庫津ミュージアムまで。
特別展
日本遺産 銀の馬車道 鉱石の道 開催中!
但馬の鉱山と播磨の港を結んだ馬車道に関連する近代産業遺産について、実物の鉱石や貴重な絵巻などの資料約100点で多角的に学ぶ展覧会。兵庫津ミュージアムでは6月25日(日)まで。その後、7月1日(土)~8月6日(日)は朝来市埋蔵文化財センター、8月19日(土)~10月1日(日)は兵庫歴史博物館(姫路)へ巡回予定。
兵庫津ミュージアム
TEL:078-651-1868
https://hyogo-no-tsu.jp/