6月号
【新緑の六甲山を行く】六甲山サイレンスリゾート
浮雲に手を伸ばし天の川を掬う
絶景と歴史の森で
くつろぎのひとときを
伝統を引き継ぎ未来へ
その名の通り、六甲山上の静かな森に佇む総合リゾート施設、六甲山サイレンスリゾート。本誌読者の諸兄諸姉には、旧六甲山ホテルと紹介した方が親しみがわくかもしれない。
その名門ホテルの建築は健在で、まもなく築100年を迎える山小屋風の建物は往時の佇まいを残しつつ、修復により現代的な寛ぎ方に対応すべく進化。この旧館は時代を超え、「おもてなし」の心を空間に体現している。
この修復を手がけたのは、イタリア人の世界的建築家、ミケーレ・デ・ルッキ氏。さらにいま、彼が設計する円盤形のホテルを新設するプロジェクトが進行中で、再来年竣工予定。景観を損なわぬよう木の伐採は最小限にとどめ、まさに六甲山の自然を呼吸するようなステイを愉しめるようになるだろう。
美味の向こうに絶景
旧館のカフェテリアでは、いつでも気軽にスイーツや軽食を。敷地内でとれた自家養蜂のはちみつをふんだんに使ったドルチェや、毎月内容が変わる英国式アフタヌーンティーセット(要予約)が人気。旧六甲山ホテルのスペシャリテのアップルパイは進化しつつも、根強いファンからのオーダーが絶えない。バリスタが淹れたコーヒーの余韻に浸りながら、ふと見上げると1929年製のステンドグラスが。まるで時空を往来するようだ。このご時世に嬉しい個室も完備。ここでは愛犬と一緒にゆったりと過ごすことができる。
一方、空のダイニングでは、絶景という名のスパイスがこだわりのメニューをさらに美味に。マリンブルーを眺めながらのランチで、はたまた煌めく神戸を見下ろすディナーで、但馬ビーフや八鹿豚、地場の野菜や季節の素材をふんだんに織り込んだコースや鉄板焼メニューをご堪能あれ。愛犬同伴OKのテラスでは、森から吹くそよ風を頬に感じながらBBQを。
また、ブライダルにも対応。森の中で永遠の愛を誓うなんてロマンチック。このロケーションでの挙式は、新たな門出の二人はもちろん、参列者にとっても佳き思い出になるだろう。
ショップやイベントも注目
お食事のあとはぜひショッピングを。旧館のショップのセレクトは実にユニーク。自家養蜂のはちみつは、時期によって風味が違う自然の味。そのはちみつを使ったオリジナル石けんも好評だとか。パティシェご自慢のレモンケーキやクッキー、バリスタ監修の自家ブレンドコーヒーは手みやげにもぴったり。ほかにも使い勝手やSDGsに配慮したグッズ、ミケーレ・デ・ルッキ氏デザインのプロダクト、ハーブ苗ほかガーデニング用品など、ここでしか手に入らない逸品も数多い。
さまざまなイベントも開催。6月17日(土)には、六甲山にもスタジオを持つ、ハルモニア神戸(株)代表を務めるイタリア人バイオリニストのマウロ・イウラートさんのコンサートが。6月24日(土)には蜜蝋ラップづくりのワークショップを開催予定だ。
また、定期的にレースもおこなわれる約1kmのマウンテンバイクコースを開放しており、自転車のレンタルや初心者向けレクチャーも。6月は10日(土)・11(日)の予定。
旧館のギャラリーでは多彩な展覧会も開催され、秋は六甲ミーツ・アート芸術散歩の会場として賑わう。
駐車場無料なのでドライブがてらに、また、ハイキングやサイクリングの休憩にもおすすめだ。神戸の中心からほど近い六甲山サイレンスリゾートで、アクティブ派ものんびり派も、思い思いの時間を心ゆくまで。
六甲山サイレンスリゾート
神戸市灘区六甲山町
南六甲1034
TEL.078-891-0650
https://rokkosansilence-resort.com/