5月号
神戸のカクシボタン 第113回
夜の東門街で愛しのお肉たちとご対面!! しゃぶしゃぶ、すき焼き専門店『しょうだ』
昨年11月に東門街の一角でオープンした、しゃぶしゃぶ、すき焼きの専門店『しょうだ』が話題を呼んでいる。実際、店舗へ行った人間に「どんな感じやった?」と聞くと「珍しい豚肉が美味しかった」とのこと。「へえ~ええやん」と話を合わせるも頭の中には「ニヤリ」と笑う「紅の豚」しか出てこない。早速、取材を申し込み対面することにした。その日、40席あるというラグジュアリな店内は多くの団体客で賑わっていた。一方、私はカウンターにて「マイペースでいただきます」と言い訳をしながら孤独のグルメ。豚肉の取材と言いながら牛肉への未練も捨てきれず両方を食すことができる、しゃぶしゃぶコースを注文した。しばらくすると料理長の一ノ瀬正敏さんが地産地消にこだわる新鮮な野菜と肉皿を抱えてご登場。噂の真相についてお聞きすると「当店では出汁との相性を考え、バナナで育てた淡路島産の『えびすもち豚』を使用しております」とほほ笑んだ。ゆるりと出汁に泳がせ食べてみると脂身の甘さが口の中で一気に広がる。「フ、フ、フルーティーピッグ」と直訳英語で格好をつけながら、すかさず牛肉への浮気を試みる。「ギュウもうまい。これはA、A・・・」と感想に困っていると一ノ瀬さんが「リブロースです。全体的なバランスを考えA4の特選国産黒毛和牛を使用しております」とコメント。「やっぱり、素人はすぐにA5と言うから困りますな」とごまかしシメの半田素麵をすすりながら贅沢なひと時を堪能した。
しょうだ
神戸市中央区下山手通1-3-8
月世界ビル地下1階
【電】078-331-2611
【営】17:00~23:00(L.O21:30)
【休】不定休
■岡力(おか りき)
コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「球友再会」(月刊神戸っ子)