5月号
harmony(はーもにぃ) Vol.63 映画「いつかの君にもわかること」
3月に神戸で「いつかの君にもわかること」(原題 NOWHERE SPECIAL)と言う映画が上映されました。筋書きは次のような内容です。
4歳のマイケルの母親は、彼が生後6ヶ月のときに家出をして行方がわからないままです。33歳の父親のジョンは窓拭き清掃員として生計を立てながらマイケルと暮らしている父子家庭です。ジョンは不治の病を患っており、余命幾ばくも無いことを知らされています。自分が死んだ後、息子のマイケルをどうすれば良いのか、ソーシャルワーカーと相談した結果、マイケルの養子縁組先を探すことになります。ワーカーは「実父が養親先の候補者と直接会い、委託先を選択するというのは規則違反であり、例外的なこと」としつつ、マイケルとジョン親子は紹介してくれる養親候補者を一軒一軒訪ね、どの家庭がマイケルに最もふさわしいのかを探っていきます。
父親のジョンは一体どの家庭がマイケルにいいのかずいぶん思い悩みます。問題は4歳のマイケルに「養子」が何であるかを理解させることと「死」による別れを理解させることですが、どちらも4歳の子どもにとってはなかなか理解しがたいことなのです。
父親はいよいよ自分のからだが動きづらくなり、死が迫ってきているのを感じると仕事を辞め、マイケルに手紙や思い出の品を箱に入れてマイケルが成長すれば読むように準備をします。そしてとうとう父はある決断をするのです・・・・・。
ウベルト・パゾリーニ監督がこの映画を制作することになったきっかけは新聞記事を読んだことで、その実話を脚色して制作しました。制作にあたって監督はイギリスの民間団体から里親や養子縁組に関するいろいろなアドバイスを得たとのことです。素晴らしい親子を演じた父親役のジェームズ・ノートンと子役のダニエル・ラモント(初出演)は撮影前から長い時間をかけて信頼関係を築いていったそうです。機会があればご覧下さい。
2020年
イタリア、ルーマニア、イギリス 95分
愛の手運動は
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