2021年
10月号
10月号
連載コラム 「続・第二のプレイボール」 |Vol.16
爽やかな笑顔でファンを魅了し活躍 三浦広之さん
文・写真/岡力<コラムニスト>
引退後にさまざまな世界で活躍する元プロ野球選手の「今」をご紹介します。
大阪市内にあるゴルフスクールにかつて『球界の玉三郎』と呼ばれた元プロ野球選手がいる。「最初は嫌でしたよ。でも今ではそのことで覚えていてくださり有難いです」。そう語るのは阪急ブレーブスでエースとして活躍した三浦広之さん。昭和34年生まれ福島県出身。兄の影響で野球を始め県立福島商業高校へ進学。片道10キロを自転車で通学していたが3年時には走るようになった。最後の夏は夢にまで見た甲子園出場を果たし、プロ注目の存在となった。「父親から託された東北初となる優勝旗を持ち帰れませんでしたが嬉しかったです」。
迎えた秋のドラフトでは阪急から2位で指名を受け入団。会見が行われた新阪急ホテルには一目見ようと多くの女性ファンが殺到した。直後のシーズンでは初登板から4試合連続勝利をマーク。翌年にはオールスターゲームにも出場した。「ベンチでは緊張しました。当時、パ・リーグはアピールする場所がなかったので皆が真剣でしたね」と振り返る。
引退後はゴルファーへの転向を決意。『大宝塚ゴルフクラブ』で接客やコース管理の傍ら練習に励んだ。その後、『サラゴルフスクール』専属コーチに就任。2000年には念願だった『関西オープン』にも出場した。現在、選手の体型や個性に合ったメソッドで育成を行う三浦さん。「指導は厳しいですか?」の問いに「僕は褒め殺しですよ」と笑顔で答えた。クラブを手にあの甘いマスクは今も健在である。
■『サラゴルフスクール』
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