2020年
3月号

スイミング業界の風雲児が流水プールで改革に挑む!

カテゴリ:教育・スポーツ, 芦屋

株式会社 Take your marks 代表取締役  野田 健 さん

昨年、民間企業で西日本初の流水プール施設「swim ARK」が芦屋にオープンし、注目を集めている。運営する株式会社Take your marksを起業した野田さんにお話を伺った。

─水泳をはじめたきっかけは。
野田 水泳との出会いは5歳の時、親のすすめではじめました。小学2年生から選手コースに上がりました。

─ロンドンオリンピック200m背泳ぎ銀メダルの入江陵介選手の兄、入江晋平さんと切磋琢磨したそうですね。
野田 入江君は同じ学年、同じ系列のスイミング、種目も同じバタフライで、大会でいつも一緒でした。ライバル?いえいえ、彼は昔から飛び抜けていましたよ。僕は全国大会に出るレベル、彼は昔から全国大会で優勝、大学時代にもインカレで優勝、世界大会では兄弟揃ってメドレーリレーで優勝していますから。今は弊社のコーチとして活躍してくれています。

─子どもの頃からずっと水泳を続けてきたんですね。
野田 いいえ、実は中学3年生の時に限界を感じ、水泳を辞めました。しかし、大学1年生の夏にスイミング時代の後輩達の試合での活躍を見て、もう一度挑戦したいと思い、大学1年生の秋に水泳部に入部しました。
中学時までは、嫌々泳いでおり、「やらされている水泳」でした。大学からは自分の意思でやると決めたので、本気でやりました。しかし、ブランクもあり、関西で7~8位くらいでしたね。

─大学卒業後すぐに起業したのですか。
野田 いいえ、関西の通信事業の企業へ就職しました。数年後、週末に水泳の個人レッスンをおこない、顧客を地道に増やし、その後、大学の後輩を誘って事業を広げました。
2016年に会社を辞め、もう1名コーチを増やし、株式会社を設立しました。初期投資が不要、体が資本でしたから立ち上げに苦労はなかったですね。

─なぜ水泳レッスンの事業を選んだのですか。
野田 弊社コーチの入江君がきっかけです。水泳は習い事ランキングでも常に上位にあります。しかし、「水泳のコーチになりたい」という声を聞いたことがないので、そんな声を増やしたいというのが昔からの入江君と僕との共通の想いでした。そして水泳を通じて、「恩返しがしたい」ということで、水泳なら、泳ぎ方やテクニックはもちろんのこと、そしてメンタルについて、また色々な考え方・考える力が身につくように、コーチングができるかなと思ったことが事業選択の大きな一つでした。
そして習い事において集団よりも「個人指導」の方が合うという方や、タイムアップを目指すスイマーに、的確な指導やレベルに合わせたレッスンをおこなう「水泳の家庭教師」は事業になるのではないかと。
知識があっても、伝え方一つで、伝わったり、伝わらなかったりします。
相手のことを考え、相手に合わせて、言葉を選び、どのように伝えるかで効果は絶大に変わるため、弊社ではコミュニケーションを重視しています。生徒はレベルアップを目指す小中学生を中心に、マスターズ大会を目指すシニアも増えています。

─流水プールを設置したのはなぜですか。
野田 レベルアップのため、ほとんどの方がこっそり練習したい、周りに見られたくないという声が多かったので。また著名な方が「ジムで泳いでいると声をかけられるので、集中して泳げない。個室プールがあれば」という声もあり、個室のプールをつくろうと。

─プールのスペックは。
野田 流速はウォーキングから日本記録と同等のペースで泳げるまで対応しています。プールの底には水中鏡があるのでスイマー自身でフォームのチェックができ、また両面ガラス張りのため、入水後の手の掻き方やキックの打ち方が見え、さらに2階部分から見下ろせるので、さまざまな角度からフォームチェックや動画撮影ができます。撮影したフォームを見て確認できるので、より説得力のある指導が可能で、スキルアップに大きく結びつきます。また、流水にあたることにより、全身にかかる水圧が血行を促進し、健康にも結びつきます。短時間で効率的なトレーニングが可能です。



─水泳事業以外にも事業はありますか。
野田 法人事業部があり、企業のコストダウンコンサルをしております。弊社役員が士業のため、役員を中心に動いております。水泳のコーチにも、水泳以外の仕事にも真剣に取り組んでもらっています。BtoBでの仕事も経験し、BtoCである水泳の仕事で活かしてもらうことを意識して取り組んでおります。人生において大事なことは、「知識と経験」です。それをどうやって活かすか。コーチ自身にも考える力をつけてもらい、行動を起こしてもらっております。

─今後の目標を。
野田 3年以内に自社で25mプールを持つことです。それに向けてもう動き出していますよ!自社の25mプールを持ち、水泳業界の現場を変えていきたいですね。型にハマりすぎない、オリジナルのカリュキュラムで運営し、労働時間・休暇・収入面、全て変えていきます。やり方一つで変わります。 
また、今の生徒さんがうちの会社に入社し、一緒に働けることがもう一つの夢であり、目標です。

野田 健(のだ けん)

1986年、神戸生まれ。5歳から水泳を始める。2009年に大学卒業後、株式会社ケイ・オプティコム(現・株式会社オプテージ)に入社し、営業として活躍。2016年4月、同社を退社。同年5月、株式会社Take your marks設立。2019年5月、swim ARK完成

swim ARK

兵庫県芦屋市楠町3-11
TEL.0797-24-9035
http://swim-ark.com/

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