2025年
12月号
12月号
ビフテキのカワムラで〝本物〟の神戸ビーフを心ゆくまで
ビフテキのカワムラ加古川店
6席のカウンター、8席のテーブル2つ、10席の個室で計32席とカワムラの中で最も規模が小さいが、その歴史は神戸本店に次いで長い。但馬牛の飼育が盛んで、市内の食肉市場では神戸ビーフも出荷する牛肉の本場ゆえ、加古川の人たちは肉の味にうるさいというが、そんな土地柄で半世紀近くにわたり愛されてきたことはカワムラのクオリティの高さの証左でもある。
来店客のほとんどは地元のファミリー層だが、大企業や世界的企業も拠点を置く街なので接待利用も多く、神戸ビーフと他県産黒毛和牛の食べ比べコースが人気だとか。
どこかホッとするアットホームな雰囲気と、地域密着ならではのさり気なく温かなおもてなしで、極上のビーフをさらに美味しく食べさせてくれる。なるほど、リピーターが多い訳だ。
神戸ビーフのプロフェッショナル カワムラがお届けする神戸ビーフ講座⑳
但馬牛の旅路(1)
神戸ビーフのもととなる但馬牛は、トラックや貨車などない時代、博労や牛追いに連れられ、牛たちが自分の足で歩いて移動して流通していました。今回からしばらく、そのメインルートをご一緒に旅しましょう。
牛たちはまず、小代や村岡など故郷である但馬北西部の美方郡から、だいたい現在の国道9号のルートで養父の牛市に向かいます。現在、養父には但馬家畜市場がありますが、江戸時代はそこから円山川を渡り2kmほど東の養父神社付近の道ばたで市が開かれていました。幕末にはこのあたりに博労が63人もいたことから、結構規模が大きかったことがうかがえますね。
この市は明治20年代になると地元有志から土地が提供され、取引の場として整備されます。















