6月号
木のすまいプロジェクト|平尾工務店|襖編|Vol.2
失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。
連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。
襖骨づくり
前回に続き襖がテーマですが、今回からその製造工程をみていきましょう。襖にはいろいろな種類がありますが、木の襖骨を井桁状に組んだ組子の襖芯に紙を張り付けてつくる、伝統的かつ一般的な組子襖を例にご紹介していきます。
組子襖は反りやねじれが少なく強度や耐久性にすぐれているだけでなく、調湿性や断熱性もあり、張り替えもしやすいので長く使えます。また、木と紙という自然素材でできているので健康的で、環境にもやさしい点も魅力です。一方で製造に手間がかかり、価格は高めです。
襖芯は、反りや歪みがあってはいけませんし、何年、何十年も使い続けられる強度も必要です。そのために、襖骨となる木材は特に厳選しないといけません。平尾工務店が主に使用している襖は、十分に乾燥させた紀州材のスギ無垢材のうち、ノタ(丸太の表皮の部分)や節、ひび割れのない白太(木の白い部分)だけを使っています。白太はやわらかいので加工しやすく、吸湿効果が高いので建具に向いています。見えない部分だからこそ、とことんこだわっているのです。
きれいな仕上がりのために、まずは襖骨の材料を機械にかけ、面の精度を調整します。
次に、専用の機械で襖骨に溝を掘っていきます。骨と骨の接合には釘を使わないため、しっかりと組むためには寸法が正確無比でないといけません。溝の位置は、襖のサイズに合わせて調整します。また、溝は上下交互に彫っていきます。
次回はこれを組む工程です。
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