04.17
WEB版エンタメ情報| ミュージカル『最強のふたり』 俳優 浦井健治さん
正反対のふたりが、お互いの人生を変えた!
~浦井健治が川平慈英とW主演で贈る、友情の物語~
世界中で大ヒットを記録した仏映画『最強のふたり』(2012年公開)が、日本でオリジナル・ミュージカルに生まれ変わります!
教養ある大富豪とスラム街出身で犯罪歴のある男性。交わることのない場所で生きてきたふたりが、衝突を繰り返しながらも次第に心を通わせていく、実話をもとにした物語。大富豪・フィリップ役を務める浦井健治さんに聞きました。
STORY
事故により首から下が麻痺し、車椅子での生活を送る大富豪のフィリップ(浦井健治)は、知性と財産に恵まれながらも深い孤独の中にいた。
ある日、介護人の面接に現れたのは、学歴も経験もなく、刑務所を出たばかりのドリス(川平慈英)。常識はずれで奔放な彼の態度に周囲は戸惑うが……。
―世界初演となるオリジナル・ミュージカル。この話を聞いたときのお気持ちは?
川平慈英さんと共演できることが、何よりうれしかったです。
ありがとう!待ってました!
「川平慈英と浦井健治で何か作ろう」という話が先にあって、「じゃあどんな作品にしよう」と。いろいろな作品を挙げていく中で決まったのが、『最強のふたり』。これは楽しくなるぞ!と思いました。
―映画の印象が先にあるので、舞台ではどう表現するのだろう?と思うシーンもあります。
そうですよね。そこにワクワクしませんか?
川平さんと初めてご一緒したミュージカル『ビッグ・フィッシュ』(2017/2019年上演)も原作が映画でした。舞台だからこそできる表現があることは、僕は経験上わかっていたけれど、実際に稽古が始まってみると、ストーリーの起承転結はそのまま、原作が伝えたいメッセージもそのまま。今の僕たちだからできる、“ さらに最強 ”のミュージカルができあがってきています。僕もワクワクしています。
―原作とは大きな違いがありますね。映画ではフィリップが年上なので、年齢でいうと配役が逆…。
年齢的にはドリスが僕ですよね。
けれど、脚本・演出担当の板垣恭一さんが、演劇性を考えた場合、逆だろうと。確かにそうなんです。精神的に頼っているのは、フィリップであり、僕なので。
映画を観た方でしたら、川平さんのドリスは想像できると思います。
その配役のおかげでちょっとした奇跡が起こってすべてが自然。将棋みたいに「その一手か!よし、勝ち!」(笑)
『ビッグ・フィッシュ』では父親と息子でしたけれど、心のつながりは地続き。今回も変わらず川平さんとの心のつながりを感じていただけたらうれしいですね。
―あらためて、川平慈英さんの魅力とは?
人生を楽しんでいる人。やよい軒の生姜焼きが好き、ビールが好き、サウナが好き。自分の「好き」をまわりの人にも伝える。聞いていたら、なんだか僕も好きになってくる。それから人に対してフラット。どんな人にもいつだって川平慈英で接する。
今って小さな携帯に押し込まれた様々なことのために、皆ずっと下を向いているけれど、川平さんは上を向かせてくれる。上を向いたらおもしろいことがいっぱいあるよ!って。休憩中も踊り出したり、クイズを出してきたりする。「問題です!」…(笑) ね、ドリスっぽいでしょ(笑)
―壁を作るフィリップとは逆ですね。彼はドリスのどんなところに惹かれたのでしょう。
「僕を僕としてみてくれた」。このセリフがすべてですね。
大富豪であるフィリップの財産に人は寄ってくる。もううんざりしていたんですね。ドリスもはじめは色々と思惑がありますが、「大切なのは財産じゃない。自分の人生だろ!」なんて言ったりする。
川平さんはドリスの魅力を「生き様が自然」と言ってましたが、川平さんもそう。生き様が自然。僕も川平さんのそんなところが大好き。きっとフィリップも同じです。
―浦井さんは、車椅子に座ったままで様々な感情を表現します。難しそうですね。
ミュージカル俳優って、実は座って歌うことに慣れているんです。歌稽古や本読みでは座って演じることが多いので。僕は25年やっているので大丈夫!ちゃんと歌えます。
でも先日の立ち稽古で、3時間座りっぱなしで腰が痛くなった。休憩時間は立たないとダメだと学びました。
3月4月は『破果(パグァ)』、5月に『最強のふたり』があって、6月は『鬼滅の刃』と舞台が続きますが、『破果』と『鬼滅の刃』は殺陣でめっちゃ動くんです。人を斬ったり、食ったり(笑)。『最強のふたり』は全く動かない。バランスの取れた日々です(笑)。
―作品には多くのメッセージが込められていますが、浦井さんの心に響いたのは?
互いに認め合い、支え合う人たちの姿ですね。寄り添うって、素敵だと思います。ミュージカルは大勢が集まって作るので、人のつながりは大切。
それから、いつだって人生はリスタートできる!というメッセージには勇気をもらえます。
―世界初演になりますが、スタッフ、キャストの皆さん、どんな雰囲気ですか?
楽曲制作は、桑原あいさんが担当しています。ピアニストでもあり、創作も手がける、才能あふれる人です。ふたりの心情まで表現したすばらしい音楽ができあがっています。名曲揃いですよ。
今は俳優が合流して、実際に動き出して、稽古場はものすごい熱量。
今回、電動車椅子をお借りしているのですが、開発担当はじめ何人もの方がサポートしてくださっていて、そこでも熱量が上がっています。最新のトップ中のトップの車椅子にも注目してほしいです。
―稽古場の熱さが伝わってきます。
昨年、韓国で生まれたミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』が、アジアで初めてトニー賞(アメリカ演劇界のアワード)を受賞して、僕たちも大きな希望をもらった。あれから「僕たちもやるぞ!」「僕たちもできるよ!」という日本ミュージカル界の思いがさらに高まったと思います。
―先ほど名前が上がったミュージカル『破果』も韓国の作品ですが、日本の演劇界と違いはありますか?
アメリカという国がブロードウェイを目指す人たちを支援する環境が整っているように、韓国にも大学路(テハンノ)という劇場が集まる “ 演劇の街 ”があって、同じく支援、育成するシステムが整えられています。そこが大きく違います。
日本は、作品を作るために各分野のスペシャリストが集まって、いくつもの会社が力を合わせて一作品を立ち上げる。その横のつながりが強いです。
2.5次元と言われる演劇界もありますが、裾野を広げる役割をもって精力的に活動しています。みんなエンターテイメントを愛している人たちばかり。そんな人たちが集まって一つの文化を作っている。日本の強みだと思います。
―人とのつながりとエンターテイメントへの愛ですか…。
そう、それからお客さまです。一緒に作ってくれる、育ててくれる感覚が日本のお客さまにはあります。
公演って全国どこへでも行けるわけではなくて、大都市がほとんど。交通費、宿泊費をかけて観にきてくださる方もたくさんいらっしゃいます。「〇〇から来ました」とか聞くと、「愛されてるなぁ」「お客さまのためにもがんばらなくちゃ」と思います。
―ところで、デビューは2000年。昨年は25周年でしたね。
『仮面ライダークウガ』でデビューしました。ン・ダグバ・ゼバという闇をもたらす支配者の役でした。昨年の『超クウガ展』で、共演したオダギリジョーさん、葛山信吾さんに会いました。「変わらないね」なんて話をして感慨深かったです。
その後は、舞台で『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面になって、『エリザベート』ではオーストリア皇太子になって。わりとすぐにミュージカルの仕事をいただくようになりました。
―ミュージカル界のプリンスと呼ばれるようにもなりましたね。
大御所プリンスなんて冗談で言えるような年齢になってきましたけど(笑)。
―最後に、浦井さんが思うミュージカルの魅力とは?
“人がいる”ということ。舞台にも舞台裏にも客席にも。みんなが同じ時間を共有します。幕が下りると、見えていたものも時間も消えてしまうけれど、そこで感じた空気は数十年でも心に残るそうです。それはプレイヤーも同じ。そんなところが素敵だなと思っています。
それから、栗山民也さんの言葉ですが「演劇は時代を写す鏡」。起こっている出来事、歴史を、“今”、一緒に体験して考えることができます。
僕はそういう舞台に立ち続けていたいと思っています。
photo.黒川勇人 text.田中奈都子

【公演情報】
ミュージカル『最強のふたり』
大阪公演

日時:2026年5月14日(木)〜17日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
脚本・作詞・演出:板垣恭一
作曲・編曲・音楽監督:桑原あい
出演:川平慈英 浦井健治
紅ゆずる 宮原浩暢 小野塚勇人 ほか
公式HP https://saikyonofutari.jp/












