6月号
ワークショップ|【特集】ひょうご国
ワークショップ
地場産業や伝統工芸に係るものづくり体験のワークショップを開催(参加費無料)。期間中、地場産業の協同組合などの協力を得て開催された体験会は予定人数がすぐ埋まるほど大盛況。多くの参加者が兵庫のものづくりを楽しみました。
ぬののぬりえ|実施日:4/26
播州織|(公財)北播磨地場産業開発機構・大化産業(株)
紙じゃない!?布のぬりえ
播州織を活用した布の塗り絵。鯉のぼりなど、15種から好きな絵柄を選択、自由に着色して仕上げ、自宅に飾ってもらえる内容。「織物=衣類というイメージがあるなか、ぬり絵など、アイデアによりものづくりの可能性が広がります。万博という海外からのゲストも多い場で、ぬりえや織り紙、“和”の日本の文化にも興味を持ってもらえれば」と講師を務めた大化産業の高橋直也さん。参加した女性は「子ども時代、親しんだぬりえを思い出し、楽しかった」と仕上がりに満足の様子。

天然素材のコットンで染色時の自然への配慮を欠かさないサスティナブルな播州織の特徴を紹介。ぬりえの黒のラインも織物で表現

展示会場では播州織で作った「布の織り紙」も


マイそろばん作り|実施日:4/26・27
そろばん|播州算盤工芸品協同組合
世界に一つだけのマイそろばん
小野市の地場産業「播州そろばん」は全国生産量のシェア約7割を占め、国の伝統的工芸品にも指定。「その技術と素材を生かした新商品開発にも注力し、世界に向けた新市場を開拓中です」と語る播州算盤工芸品協同組合の宮永英孝さんの指導のもと、参加者はピンクやブルーなど、カラフルな枠や玉を選んで組み合わせ、世界に一つだけのマイそろばんを作る。そろばんの作り方や使い方の紹介もあり、無事完成させた男の子は玉をパチパチとはじいて、「大切に使う!」と大喜び。

本物の播州そろばんの天然木製素材を使ってつくる

展示ブースでは伝統工芸品に加え、カラフルなそろばん玉がタイヤになった木の車を転がすスライダーを紹介


デコマッチ箱づくり|実施日:4/27
マッチ|(一社)日本燐寸工業会
テープでマッチ箱をおめかし
兵庫県のマッチの国内シェアは8割。海外へは神戸港から輸出されている。ワークショップでは無地のマッチ箱にマスキングテープを貼って飾り付けてオリジナルマッチ箱を作る。「神仏の参拝時、若い世代の人がマッチを使えないそう。かわいいパッケージをつくることで、普段からマッチに親しんでほしい」と日本燐寸工業会の松本和久さん。60種以上そろうマスキングテープを自分好みに貼り付ける作業はシンプルだからこそこだわりたいと皆、熱心に作業に取り組んだ。

フランス人の女性はどこも大混雑の万博会場で、ここでは落ち着いて日本の文化を学べたのが良かったとにっこり

長く愛される商標マッチ。若者にはレトロ、年配者には懐かしいデザイン


丹波焼ガラメンフォトフレームづくり|実施日:4/28
丹波焼|丹波立杭陶磁器協同組合
万博の思い出を飾るフォトフレーム
日本六古窯の一つとして日本遺産に認定されている丹波焼。ワークショップでは“ガラメン”と呼ばれる丹波焼の破片を貼り付けてオリジナルフォトフレームを制作。「廃棄してしまう丹波焼の破片を磨いて再利用。環境にも配慮したワークショップです。小さな子どもや外国人の方でも手軽に体験できる内容で、持ち帰ってお部屋に飾ってもらうことで陶芸に関心を持ってもらいたい」と丹波立杭陶磁器協同組合の前中玉喜さん。貼り付け方も色々で、次々と美しいフォトフレームが完成!

阪神・淡路大震災のときに長田でボランティアに参加し、兵庫の人の温かさに魅了されたという愛知県から来た男性。「フォトフレームに万博の写真を飾りたい」と嬉しそう


HYOGO LEATHERでつくる!革小物作り|実施日:4/28
皮革|兵庫県皮革産業協同組合連合会
柔らかな天然皮革で小物づくり
兵庫県は1000年以上続く日本一の皮革製品の産地。生産工程を県内で行い、廃棄物処理を適正に管理した工場で作った革のみ「HYOGO LEATHER」に認定。「HYOGO LEATHERの廃棄される部分を活用した小物づくりで、地球環境に配慮している革素材であることをPR。柔らかいのに丈夫で、使うほどに味がでる革の面白みも実感してほしいです」と兵庫県皮革産業協同組合連合会の藤本裕子さん。参加者はミニバッグ、ブレスレット、動物の中から好きな作品に挑戦。

食肉の副産物を活用したサスティナブルな革

合皮とは違う、柔らかい手触りをワークショップで実感


「振る舞い酒&素敵なワークショップで万博に来た甲斐がありました」と喜ぶ参加女性

匂い袋づくり|実施日:4/29
線香|兵庫県線香協同組合
嗅感覚の魅力を発見する!
お線香づくり175余年の歴史を誇る淡路島。「匂いは目に見えないが人々の記憶に残り、癒し要素もあります。お仏壇やお墓にお供えする印象が強いお線香ですが、今日は“香りを楽しむ”体験を経験していただきたい」と兵庫県線香協同組合の谷口太郎さん。ワークショップでは天然植物の香料「白檀」「龍脳」「桂皮」「大茴香」「山奈」「丁子」「ラベンダー」という7種の香りを組み合わせて匂い袋を完成させる。参加したハンガリー人の女性は「淡路島にも行ってみたい」と魅了された様子。

香料で香りが変わっていく過程が楽しい」と参加女性

「香りに愛された島 淡路島香る」をテーマに、香りの多様な体験プログラムを、淡路市4か所の施設で開催中


ミニボストンバッグ・ミニリュックづくり|実施日:4/29・30
豊岡鞄|兵庫県鞄工業組合
ミニバッグづくりで職人気分を満喫
“日本製の質の高い鞄”の生産地として全国から注目を集める豊岡。新たな再生素材やサスティナブルと再認識された革を使用している「豊岡鞄」のワークショップでは鞄づくりの際に出た革の端材などを活用しミニバッグをつくる。「パーツを選ぶ過程から楽しいと思います。大阪のKITTE専門店も開業しましたし、万博来場者の人にも豊岡鞄の名前を知ってもらえれば嬉しい」と兵庫県鞄工業組合の天野良昭さん。2日にわたる開催ながら整理券が即なくなるほどの盛況ぶり。

キーホルダーや小物入れになるミニバッグ

強度や染色、糸のほつれといった厳しい品質検査を実施し、質の高さを誇る豊岡鞄。ワークショップでは鞄作りに欠かせない「取っ手取付」「カシメ留め」などを体験















