1月号
今年の『南京町春節祭』の見どころ。震災30年、南京町のこれから。|南京町春節祭特集
南京町商店街振興組合 新理事長に聞く。
今年の『南京町春節祭』の見どころ。
震災30年、南京町のこれから。
昨年8月29日(木)、南京町商店街振興組合の理事長を20年以上務めた曹英生氏(老祥記 代表)に代わって、安達正一氏(民生廣東料理店 代表)が新理事長に就任されました。
※曹氏は相談役に。
安達氏に、就任に当たっての抱負や春節祭の見どころ、震災30年への想いについてお話を伺いました。
このたび理事長に就任するにあたりまして新たな重責を感じるとともに、私ならではの新しい南京町の魅力を広く発信していきたいと考えています。「南京町商店街振興組合」は1977年に発足。当店創業者の私の父、呉信就も過去に理事長を務めています。私が生まれた1960年代、南京町には前理事長・曹さんの『老祥記』と当店の二軒しか中華系の店はなく、圧倒的に多かったのが米兵向けのバー。それゆえに治安が悪い街というイメージがありましたが、「南京町商店街振興組合」を中心に町の整備・ブランド化を進め、神戸有数の人気観光地へと発展させました。クリーンなイメージを定着させるべく、組合が見回りを行い、「これはしてはいけない」「あれもだめ」というルールを押しつけていた時期もありました。それも間違いではないものの、良いコミュニティを創り上げるためには各店・各人の意見を聞き、受け入れていくことも大事です。うちは祖父が中国から来日して南京町で暮らし始めたルーツがあり、慣れるまでは苦労もしたようです。それでも今、「民生」が商売できているのはこの地に受け入れてもらえたから。さまざまな国籍や宗教、文化などが渾然一体となって共生する懐の深さが南京町にはあります。実際に今、南京町では中華食材だけでなく、ベトナムなど東南アジアの食材を扱う店も軒を連ね、ダイバーシティと化しています。多様性を受け入れ、楽しむ。行政と協力しながら、何よりも店の人、一人ひとりが力を発揮し、マンパワーで発展してきた素晴らしい街づくりのモデルです。
1995年に発生した阪神・淡路大震災では南京町の半分以上の店舗が半壊・一部損壊の被害を受けました。あれから30年、南京町の店も大きく様変わりしました。しかし、どんな試練があっても時代の流れに抗わず、自然とスタイルを変え、定着させてきたのが南京町です。だから僕自身は新店ができ、雰囲気が変わっていくことも南京町らしいと思っています。
今は理事長となって初めて迎える南京町最大のイベント、春節祭を成功させなければ!と緊張しています。今年は神秘的で幻想的なパレード「中国史人游行」が復活。若い人達も積極的に手伝ってくれていて、心強いです。曹前理事長より10歳年下の僕は経験が少ない分、若いパワーを活かして(笑)、神戸中華同文学校時代の同級生やOB会に声を掛け、またロシア人の妻や子供が通う学校関係のネットワークも駆使し、内外を巻き込んで盛り上げていきたいと思います。
グローバルで多様性にあふれた南京町の環境を堅持し、さらに発展させていかなくてはならないと考え、理事長としての責務を果たしていきたいと思っています。
南京町商店街振興組合
安達(呉)正一 理事長
2025南京町春節祭
「中国史人游行」実施決定!
<1月29日(水)12:00頃~17:00頃>
京劇の衣裳とメイクで、三国志の英雄や楊貴妃などに扮し、神戸の町をパレードします。
【ルート】
南京町→元町商店街(1番街から六丁目)/ホテルオークラ神戸/
三宮センター街(東から西)→鯉川筋→大丸→南京町
★は中国史人游行 撮影スポット:一緒に記念撮影ができます
※天候により中止、スケジュール(ルートや時間)の変更あり
※点線はバス移動の区間です