12月号
harmony(はーもにぃ)Vol.70 かぎりなくやさしい日々のために(下)
NHK特集「かぎりなくやさしい日々のために」の番組では星野富弘さんがベッドで横になったまま口に筆を加えて絵を描いていく様子が紹介されていました。1日に2時間の作業で1つの作品を描くのに10日から2週間ほどかかるようです。星野さんは妻の昌子さんに水の量や絵の具の色を細かく伝えたり、キャンバスの高さを口にくわえた絵筆で描けるように微妙な高さに調整したりしています。
花菖蒲
黒い土に根を張り
ドブ水を吸って
なぜきれいに咲けるのだろう
私は 大ぜいの人の愛の中にいて
なぜみにくいことばかり
考えるのだろう
この番組の中で星野さんは、首から下は全く動かない半身不随の身体をベッドに横たえながら、次のように話します。
「むき出しの自分と毎日毎日向き合うことになりました。ろくでもないことを考えるし、ずるいし、自分の弱さを見つめることでもあります。私の本を読まれる方は、星野はいつも一生懸命生きているんじゃないかと勘違いされると思う。普段はろくでもない生活をしてるんですよ」と笑っています。このろくでもない暮らしの中から多くの人の心を打つ詩が生まれていきます。
もう一つ詩を紹介します。
ぺんぺん草
神様がたった一度だけ
この腕を動かして下さるとしたら
母の肩をたたかせてもらおう
風に揺れるぺんぺん草の
実を見ていたら
そんな日が本当に来るような気が
した
「愛、深き淵より」「四季抄 風の旅」(立風書房)
「花の詩画集 鈴の鳴る道」「かぎりなくやさしい花々」
(偕成社)より
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