2026年
1月号

Progress~共創都市神戸へ~ 一人ではできないことに チームの力で取り組める 地域のリーダーを

カテゴリ:神戸, 経済人

一般社団法人神戸青年会議所(神戸JC)第68代理事長に松井隆昌さんが就任しました。日本青年会議所全国大会開催という大きな責務に対する思いや、基本方針の〝共創〟に込めた思いをお聞きしました。
2026年度
一般社団法人神戸青年会議所 第68代理事長
松井 隆昌さん

―理事長に就任した今の思いをお聞かせください。

歴史の重みを感じつつ、今までこの街と神戸JCをつくってくださった先輩方への感謝の気持ちを強く感じ、素地がある上で、私を含めメンバー一同が新しいことにチャレンジできるのは幸せなことだと思っています。今年は、4年間かけて準備を重ねてきた日本青年会議所全国大会が神戸で48年ぶりに開催される重要な年です。「体に気を付けて頑張れよ」と先輩方から応援の言葉を掛けていただいています。

―JCの活動と社業との両立がますます大変になりますね。

長年、私も神戸の地で商いをさせていただいていますが、これは地域の元気があればこそ。地域が元気でなくなれば社業も衰退しますし、逆に元気に盛り上がれば発展すると信じています。また、自分自身が成長することによって自社にも返していけるものがあり、社員に支えてもらいながら勉強させていただいていると思っています。

―基本方針の〝共創〟とは?

神戸JCは街が明るく豊かなることを目的にして活動しているわけですが、現在のメンバー約200名だけで100万人都市を動かすことなどもちろん不可能です。行政の皆さん、企業・地域団体の皆さん、学生さん、さらに外部の方々ともパートナーシップを築き、今まで取り組んでいないことにアプローチして、新たなチャレンジを共に生み出していきたいという思いを込めています。それによって、街に関わる〝関係人口〟を増やすことができれば神戸JCの役目を果たせると考えています。

―共創で生み出す予定をしている主な取り組みは?

神戸JCが中心に実行委員会をつくり企画をして、協賛を募り、毎年開催してきた「Kobe Love Port・みなとまつり」は2025年に24回目を迎えました。今年は25回目開催のはずなのですが、全国大会に向け神戸JCのリソースを結集させるため、お休みさせていただきます。今回のように神戸JCの都合で開催ができないということなど今後あってはならない。持続可能なお祭りにするためにも、より多くの方々に関わっていただける実行委員会を再構築します。諸団体の皆さん、学生さんにもお声掛けして、多くのパートナーを巻き込み、神戸市民みんなで共に創り上げるお祭りにする予定です。

―全国大会に向けて準備は順調に進んでいますか。

神戸JCは1995年の震災時、全国のJCからご支援をいただきました。感謝の気持ちを引き継いできた現役メンバーの手で、街が未来に向けて一歩を踏み出す姿を見ていただける大会にしたいと思っています。ただし、神戸JCだけで突っ走ることなく、近畿地区協議会と兵庫ブロック協議会、各地の青年会議所と連携して、共創の想いで準備を進めています。

―日本青年会議所に出向した経験も生かせそうですか。

サマーコンファレンス特別委員会委員長として出向させていただきました。これは、京都会議、全国大会とともに日本JCの三大大会と呼ばれ、全国からメンバーが集まる大会です。1年間でしっかりと学んできた大会運営を構築する方法を生かしつつ、神戸でしかできない全国大会を計画しています。

―オータムフェスティバルも同時期開催ですね。

地域の課題解決のための社会実験として2022年から始めた「オータムフェスティバル」が集大成を迎えます。街の一角を封鎖してイベントスペースとして活用する事で、街の回遊性を高め流動人口がどう変わるのかを調査研究してきました。今年は、今まで開催してきたエリアを活用しつつ、ウォーターフロントの周辺へと人の流れをつくり、まず市民の皆さん、そして広域エリアから来られる方に楽しんでいただき、全国から訪れる1万人のJCメンバーのおもてなしの一つにもなればと思っています。

―通常の課題に対する取り組みはほとんどお休みですか。

全国大会開催を地域にとってもメリットのあるものにするのと同時に、毎年取り組んでいる神戸の課題に対するアプローチはもちろん続けます。持続可能な運動共創委員会では、全国の青年会議所と情報を共有しているネットワークを通じて、成果を上げている事業をパッケージとして取り込み、神戸に合わせてカスタマイズして神戸JCのリソースを効率よく活用できる形で展開しようとしています。ひとつは、大学や専門学校などを卒業した若年層の地域外流出という課題に対して、今まで講じられてきた対策を学んだ上で、神戸JCとして別の角度からのアプローチを考えています。

―今年、震災31年目を迎えた神戸の街への思いは?

震災のとき私は小学2年生、ものすごい揺れで目が覚めました。ふだん勉強している学校が避難所になり、被災された多くの方が集まっておられ、そこへ親と一緒に支援物資を届けに行った記憶があります。建物は倒壊し、知人や友人が生き埋めになったり亡くなったりして、幼いながらも目にした悲惨な状況とその記憶が、神戸の街への思いの原点にあります。

―松井理事長が思う〝神戸らしさ〟とは?

何もない寒村だった神戸が開港し、全国から集まってきたさまざまな職業、国籍の人たちを受け入れながら入り混じった文化を発信してきたのが神戸らしさであり、強みだと思っています。時がたってもそれは変わらず、神戸の人だけでなく、兵庫県内、さらに全国から集まる人たちと新しい文化や魅力を共創し、発信していくのが神戸らしさだと考えています。

―松井理事長が思う〝リーダー〟とは?

地域にリーダーを輩出するのがJCの使命です。一人ではできないことにチームの力で取り組めるのが組織です。そして組織で動くことの意義を理解し、他者にその機会を提供できるのがリーダーだと思っています。突出して有能な人が一人で社会課題に向き合っても一つの力ですが、10人に機会を提供できれば10倍になります。人と関わって何かを共創できるリーダーが力を広げていけば100倍にも200倍にもなります。

―神戸JCの次の時代を担ってくれる世代に向けて、ひと言お願いします。

私はJC入会前には元町商店街の組合に参画して地域の活性化に関わっていました。JCではさらに俯瞰したポジションで街に関わり、日本JCの出向先ではさらに視野が広がりました。さまざまな視点から街を見ると、気付くポイントや課題へのアプローチの仕方が変わってきます。人との関係性が加速度的に広がり新しいチャレンジができます。この経験は将来、地域や社業に還元できるのはもちろん、自身の人生をより豊かにしてくれるはずです。神戸JCではSNSで情報を発信し、イベントや事業の事前広報にも力を入れていますので、興味を持っていただいたら参加も可能、「JCトライアル」で例会体験も可能です。ぜひ勇気ある一歩を踏み出してください。

松井 隆昌 (まつい たかまさ)

1986年生まれ。甲南大学卒。2019年神戸青年会議所入会。2022年地域価値創造特別委員会委員長として、第1回目となるオータムフェスティバルに携わる。2023年理念共感室常任理事。2024年副理事長。2025年政策顧問、サマーコンファレンス特別委員会委員長。2026年神戸青年会議所第68代理事長。株式会社亀井堂総本店取締役社長(5代目)

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