1月号
“神戸洋服”唯一の本流|神戸の地場産業を全国に向けて発信[KOBECCO Selection NEWS]
メディアやネットで積極的に〝神戸洋服〟を全国に向けて発信している柴田音吉洋服店。日本人最初のハンドメイド・ビスポークテーラー。昨年は多くのメディアの取材があり、今年も注目を集めそうだ。
―昨年は今までにも増して多くのメディアで拝見する機会がありました。
お陰様で昨年度、テレビではNHK3本と民放3本、合わせて6本の番組ロケに来ていただきました。おそらく2024年が「神戸元町商店街150年」だったことと関連しているのでしょうね。2017年の神戸開港150年・柴田音吉洋服店起業150周年時以来の注目を頂きました。
―6本の番組ですか!?
「林修&伊沢拓司の今日から大人。」は再放送を含め2回、「旅番組『えぇトコ』港の歴史息づくハイカラタウン神戸・元町」「新日本風土記 おかえり神戸わたしの母港」「ウラマヨ!商店街ツアー~神戸三宮センター街&元町商店街編~」「夏井いつきのよみ旅!in兵庫」「newsおかえり ヌシノメシ」。中には全くアポなしでタレントさんが突然訪ねてこられた番組もあり、驚きました。関西・西日本圏だけでなく全国放映の番組も2本あり、本当にありがたいことだと思っています。
―反響はいかがでしたか。
番組放映後はホームページへのアクセスが多い番組で千~千五百回ありました。柴田音吉洋服店について詳しく知り価格帯も含め納得したお客様に来店いただき、オーダーを頂きました。
―来店される方の年齢層は?
お孫さんの大学入学祝に上質のスーツを贈りたいというお祖母様、ご子息の成人式のために誂えたいという親御様、「ちゃんとした洋服を作りたい」「おしゃれな洋服を着たい」という自営業や会社役員の方など年齢層は非常に幅広くなっています。世の中はイージーオーダーがあふれています。オールハンドメイドの洋服を作りたいと思っておられる方が常にある一定数、確実におられるということです。
―今後もメディアやネットでの発信には力を入れていかれるのですか。
神戸の繁栄のために地場産業を全国に向けて発信をしなくてはいけません。三宮周辺が今、再整備で注目を集めている一方で、元町が取り残されている感は否めません。柴田音吉洋服店は元町商店街と共に150年以上の歴史を歩んできました。積極的に発信することで盛り上げていく責任があると思っています。
近代洋服が神戸で発祥し、戦後は「神戸洋服」と呼ばれるようになりました。その流れは唯一、柴田音吉洋服店で受け継がれてきました。次世代を担う若い技術者も確実に育っています。この先も受け継いでいってくれると確信しています。