1月号
出会いと学びの旅から Vol.25
学びの旅の終わり
2年間連載してきました私の若い頃の学びの旅は終わりました。あれから半世紀あまり経ち、私が訪れた福祉施設や町はずいぶん変わってしまったところもありますが、余り変わっていないところもあります。「人間はこんなにも違うのか」という思いと「人間はみな同じ」という相反する思いがあり、どちらも真実のように思います。「人間みな古今東西ちょぼちょぼ(たいして変わらない)」と言ったのは作家の小田実氏です。小田さんは若い頃、フルブライト留学生としてアメリカに行き、そのあと世界の国々を旅行し「なんでも見てやろう」という本を書きました。私は高校生の頃この本を読み、海外の異文化にあこがれ、いつか小田さんのように世界を旅してこの目でいろんな国々を見たい、と思うようになりました。22カ国を歩き、小田さんが感じたようにどの国の人たちも人間としてそんなに変わるものではないという部分もあり、すなわち、その部分ではちょぼちょぼなのです。
しかし、福祉の法律や制度の仕組みや利用、福祉施設の整備、お金のかけ方、など、いざ困ったとなったとき、どのようにその人を支えることができるかという仕組みや方法については、どの国に生まれるかによってちょぼちょぼではないのです。同じ地球上に人間として生まれても、生まれる国によって福祉のサービスの受け方が違うのは不公平と言えばそうなのですが、人間すべてが納得のいくほど公平ではありません。不条理や不合理に翻弄され続けているひとたちにとっては、この世界はたまらなく不公平だと感じることが多いでしょう。
1年半にわたる世界の旅で、さまざまなひとたちに出会いました。半世紀経った今では出会った人たちの多くはもうこの世にはおられないでしょう。どの国に生まれても「私の人生、これで良かった」と思えるような生涯であることを願いますが、そのために福祉がどうあればよいのか、を模索する旅でもありました。旅の最後のインドでは価値観がひっくり返されるようなショックを受けましたが、その困惑は今も続いています。

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