1月号

ベトナム元気X躍動するアジア 第25回|インドの時代は到来するか―日本・ベトナムとの関係で―
インドのデリーとムンバイを12月初旬に訪問。岡山学院大学の留学生募集が目的であった。定員割れとなっている大学にとって、留学生は「救世主」である。ただし日本の入管庁はN2相当以上の日本語能力を留学生に求め、さらに多文化共生の観点からは日本の文化・伝統・習慣の認識や理解が望ましい。そうであるならインドで日本語より前に日本武道「空手」を学ぶ留学生を募集すればどうか。
文・ 上田義朗
日本の文化と伝統を修得済み?
同行した七星剛也先生は一般社団法人・日本空手道修剛会の国際師範・会長であり、インド国内に4万人のお弟子さんがおられる。「七星」(ななほし)という姓は日本で百名ほどと言われており、マンガで言えば「北斗の拳」のケンシロウの化身のように思われた。
大学では「スポーツ推薦」で優秀な選手を入学させて、大学の知名度を向上させると伝統がある。それが留学生の場合はどうか。スポーツの成績や才能は当然として、日本語や日本文化が次の課題となる。空手のような武道家は、日本の文化や伝統に最初から敬意を払っているとみなされる。事実、彼らの礼儀正しさに私は感心させられた。
インドの経済発展の潜在力
表は、最近の日本における留学生数と構成比である。インド人留学生は少数であるが、今後に期待したい。既存の留学生の争奪戦もあれば、新規開拓国の留学生募集もありうる。大学経営はビジネスそのものである。人口でインド(14.64億人)は中国(14.06億人)を凌駕しているが、名目GDPでインド(4.13兆ドル)は中国(19.4兆ドル)の21%程度である。しかし近々にインド(世界5位)は日本(4位)を追い抜くと予想されている。
写真はムンバイ市内の様子。絶え間のない自動車の交通量は尋常ではなく、その大気汚染はデリー市内も同様である。インド訪問前に「飲料水に注意」と複数の人々から言われたが、ペットボトルの水は問題なかった。インド発展の潜在力は十分である。
ベトナムとインドの良好な関係
あまり知られていないのだが、デリー市内に「ホーチミン通り」がある。民族の独立と統一を果たしたベトナムに対するインドの敬意の象徴とみなされる。両国の政治経済関係は良好に発展しており、ムンバイ空港内でベトナムのヴィンファスト社のEV(電気自動車)の広告があった。
現地生産が始まっており、日本円で288万円。ベトナム販売価格380~400万円よりも安価な価格設定となっている。今後、インド生産車のベトナム逆輸入の可能性もありうるかもしれない。さらに①三年間の無料メンテナンス、②7年間または16万キロの車体保証、③10年間または20万キロのバッテリー保証が付加される。ここでの問題点は、日本やベトナムも同様に充電スタンドの普及であろう。
インド訪問中にEVバスの走行を何回か見かけた。前述のような深刻な大気汚染の解消を政府は認識しており、EV普及を重点政策にしている。これはインドとベトナムの接点のひとつである。

七星剛也さん・国際師範会長

国(地域)別留学生数:2024年
〔出所〕日本学生支援機構の調査結果より

インド・ムンバイ市内

ムンバイ空港内のベトナムEVの広告
上田義朗(うえだ よしあき)
流通科学大学名誉教授
岡山学院大学・短期大学理事
日本ベトナム経済交流センター日本代表
外国人材雇用適性化推進協会(ASEO)代表理事
合同会社TET代表社員・CEO












